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ATO通信

 
5196号 路線価は上がっているけれど…

平成20年9月30日 税理士法人 エー・ティー・オー財産相談室
 今年は例年よりひと月ほど早く路線価が公表されました。全国平均で前年比10.0%、東京圏で14.7%の上昇となっています。逆に27県では前年から下落が止まらず、地価は依然として二極化傾向です。しかし、実勢としては既に都心でも昨年の秋から下落傾向で、路線価は現時点での状況を正しく反映はしていません。その結果、現実には地価下落でこんな事が…

1. 担保価値の急落の影響

 土地を購入する場合、豊富な資金が有れば別ですが、通常は不足分を銀行からの借入れで補うことになります。その場合、銀行としては対象となる土地の担保価値を査定することに。東京の都心でも、前述の通り実勢価格は昨年の夏頃がピークだったと言えるのでしょうか。秋以降は下落傾向が続き、担保価値も急落しています。
 そのため、融資が下りず契約に至らなかったり、契約は締結したものの融資が実行されず、手付けを流したりするケースが散見されます。
 また、所有している土地を担保に賃貸物件を建築する場合、収益還元価値からは十分でも、土地の担保価値が急落の影響を受けて満額の融資が実行されない例もあるほどです。 。

2. 路線価のタイムラグ

 路線価は毎年1月1日の時価として、その年中の相続税や贈与税を計算する場合、土地の評価額算出に使用されます。
 価格としては、路線価に先立ち3月末に公表される公示価格の概ね80%の水準に設定されることになっています。公示価格は路線価と異なり、幾つかのポイントとなる地点だけの価格算定となります。しかし、この公示価格が公表された時点で、路線価も近隣の公示価格を参考に、80%水準のルールから推測は可能になっているのです。
 この公示価格も路線価と同様1月1日の時価となっていますが、それを3月末に公表するためには実際の作業はその前年中に終わらせなければなりません。つまり、調査時点と公表時点では既にタイムラグがありますが、路線価は公示価格よりさらに遅れて公表されています。このタイムラグ、地価上昇時には上昇分の反映が遅れるため、納税する側にとっては有利に働きます。しかし、地価下落時には逆に実際より高い価格で課税されることとなり、不利になってしまうのです。


3. 契約は締結しても、残金決済不能の場合

 さて、話は戻ります。不動産の売買には契約から代金決済まで、どうしても相応の時間が掛かってしまいます。金額が多額で大きな案件になればなるほど、測量、隣地境界の確定、抵当権の設定と解除、融資の条件等様々な事柄を解決するためには時間が必要になります。
 売買契約を締結したものの、時間がかかり過ぎたため、結局融資の条件が変更され残金決済が不可能になった例がありました。前述の担保価値の急落が原因です。
 このケースでは、契約締結時に売買代金の1割相当額を手付金として受領しています。買い手の事由で契約の履行ができないため、勿論この手付金の返金は不要です。売り主が個人の場合なら、一時所得として半額が課税の対象になります。累進税率で最高の50%が適用される場合でも、半額課税のため25%と考えることは可能です。しかしこのケース、売却に際しては借家人が居たため多額の立退料を支払っているのです。25%で喜んでいられるほど事態は甘くありません。

4.契約に至らない場合には…

 もっと深刻な例もありました。上記3.と同様に借家人がいる事案です。契約を締結すべく立退きを完了させ、いよいよ契約という段になって買い手の融資が実行不能になってしまったのです。こうなると、立退料は支払ったものの賃料収入が無くなり、新たな借家人を入れれば今度は売却そのものを諦めねばなりません。正に踏んだり蹴ったりの状況です。
 これら立退料は原則として不動産所得の必要経費となりますが、売却のために生じたものは譲渡所得の経費です。売却はできず今や不動産収入もなくなって、立退料は行き先を失ってしまいました。


5.金融機関はやっぱり土地の担保価値

 融資には担保がつきものです。それ自体不自然なことではありません。しかし、バブル華やかなりし頃、銀行は土地さえ有ればほぼ無条件で湯水の如く、融資を行ったのです。本来融資とはその事業の内容を吟味し、収益性や確実性を総合的に勘案して実行すべきものなのではないでしょうか。
 バブル当時の融資はそんなことはお構いなし。とにかく土地が有れば良かったのです。その結果、バブルが弾けて散々痛い目を見たのは銀行だったのではないのでしょうか。
 が、喉元過ぎれば何とやらで、ここへ来て結局融資は土地の担保だけ。いつか来た道の再来にならないことを祈るばかりです。

執筆者:阿藤 芳明

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