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ATO通信 5254号

親族間の貸借は要注意!

    (2013年7月31日更新)   執筆者:阿藤 芳明

  親族間の貸借は要注意!  親子間でお金の貸し借りをする。親しい仲だし、特に利息は付さない。よくある話ですし、それはそれで結構ですが、問題は税務上の取り扱いです。
 本当に返済するのか、それ以前に返済する気持ちと言うか予定があるのか。更に言えば、返済できるだけの経済力があるのか。親子間の貸し借りは、時によっては贈与税が課税され、場合によっては債権債務自体が認められないことも…。

 

 
   

1. 税務署の基本的な考え方

 親族間の取引や金銭の貸し借りについて、税務署は基本的に疑いの目で見ています。親族間のことだ、どうせいい加減なことをやっている、と思っているのです。まあ、確かに現実にはそう言うことも多いので、税務署に疑いの目で見られても、文句を言えた義理ではないかも知れません。
 つまり、特に親子間の金銭の貸し借りは、形式的には貸借でも、経済的な利益があり、ズバリ"贈与"だと睨んでいるのです。

2.最後の決め手は実態と返済能力

 上記のような税務署の目を払拭し、上手くやりたいと思うのが税金を納める側の心理です。そのため、先ずは金銭消費貸借契約書を作成。返済条件、返済期日を記載して実印で押印。ご丁寧にそれを、公正証書にまでするかも知れません。そして返済事実を税務署に説明のため、毎月子は親の銀行口座へ振り込みまですれば、これで完璧でしょうか。その答えは、しないより、した方がいいでしょうと言う程度です。これで完璧などと言うことはないからです。書面を作成してもしなくても、真実の返済の有無が最も大切なのです。"真実の"とは、形だけ整えて、振り込みの直後に親が引出して子に戻すと言う事ではいけません。文字通り実際に返済すると言う意味です。税務署は預金口座の動きまで確認します。体裁だけ繕って税務署を欺こうなど、決して考えてはいけないのです。
  例えば毎月の手取り収入が25万円の子が住宅ローンを組み、銀行ローンと親への返済合計が20万円と言う事態があれば、毎月5万円で生活をしなければなりません。これでは現実の生活は成り立つはずもなく、税務署は親への返済を疑ってかかるのです。つまり、返済能力こそが税務署にとって、最も重要な確認事項なのです。

3.借入金は負の財産

 子が親から借りるのではなく、逆に親が子から借り入れる場合はどうでしょう。子の方が親よりお金を持っていることだって勿論ある訳で、それ自体が問題ではなく、この場合も真実の返済や贈与の有無だけが税務上問題になるだけです。
 そうではなく、親が子より預金を含めた資産があり、資金的に困窮していないのに子から借り入れることが想定されるでしょうか。多額の借り入れであれば、それだけで税務署に??と思われる可能性があります。何故でしょう。借財を作ることは負の財産となり、相続税対策を疑われるためです。無論、何かの事情で一時的に親が子から借りることがあっても不思議はありません。そうではなく、そもそも論として、このケースでは親が子から借り入れる必要性がないためです。税務では、法律の文言も大切ですが、もっと大切なのは常識論、必然性、経済合理性なのです。"形だけ整える"は限りなく黒に近いのです。

4.裁決事例が教える教訓

 税金の世界では、原則として裁判の前に国税不服審判所と言う黒白を判定する機関があり、そこでの判断結果を裁決と言います。その裁決における上記借入れについての考え方は以下の通りです。相続税法上の債務として認められるための条件として、(1)相続時に被相続人の債務として現に存在し(2)被相続人が負担すべき金額で確実なもの、の2点を上げています。更にこの確実な債務を極々簡単に言えば、(a)債権者に債務の履行を求める意思が客観的に認識できること、又は(b)債務者がその借入れをするに至った経緯等を考えた時に、法律論及び常識論として返済を行う事が義務付けられていること、と言っています。
 親族間の貸し借りについては、返済を求める意思が客観的に認められないことが多いのです。つまり、ある時払いの催促無しは贈与。"いつもニコニコ現金払い"を税務署は期待しているのです。

5.建物の価値は何処にあるのか?

 親族間、親子間の貸し借りは、何もお金ばかりではありません。親の土地や建物を子に貸す事もよくある話。事実上の貸借についてもお金の場合と税務の考え方は基本的には同じです。タダで貸せば経済的な利益がある訳で、本来は課税の対象です。実際、かつては借地権の設定に際し、都市部のような権利金の支払慣行がある地域においては、権利金相当の支払がなければ相応分の利益を受けたとして、贈与税が課税されていました。
 現在は庭先に子の建物を子に建てさせ、権利金など貰わなくても贈与税の課税はありません。賃貸マンションを子のためにタダで貸しても同様です。ただ、相続税の評価にあたり評価減がないだけで、それを狙った賃貸借の仮装は許されません。
 
 
     
 

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