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  2017年6月
   

同一労働 同一賃金

     

 
 

 前号では、最近非正規雇用の労働者が、社会の中で無視できない割合を占めてきて、その人たちがきわめて低い給与に甘んじていること、一方で、年功序列賃金、終身雇用制に守られた正社員もまだかなりの割合いて、不景気とは言ってもそれなりに安定した給与を得ていること。同じ職場の中で、同じ仕事をしているのに正規と非正規では、待遇に著しい差があり、そのことの矛盾が社会に大きな葛藤を生んでいることなどを述べた。

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 そこで、政府は唐突に「同一労働、同一賃金」制度を導入しようと言い出した。同じ職場で同じ仕事をしていれば、正規雇用か非正規雇用か、勤続年数が何年かを問わず、賃金を同じにしようという考えである。たしかに、世界を見渡せば、年功序列、勤続年数に応じて昇給していくような制度の国はあまりない。だいたいが、日本よりも非正規雇用の割合が高く、正社員であっても、何時解雇されるかわからないような国の方が多い。

 しかし、ちょっと想像してみると、工業、とりわけ工場があるような業種では、まあ入社してからかなりの高齢になっていわゆる職長とか言うものにならない限り、職場の仕事はずっと同じ様なものである。新入社員の初任給は、少し上がるのかもしれないが、入社してから、自分の子供が社会人になるような年齢まで、ずっと同じ賃金というのは、理屈では正しいかもしれないが日本人の感情がついていかないのではないか。Xという職場が会社の都合で閉鎖されてYという職場に移ったら、給与が変わると言うのも、しっくりこない。さらに言えば、これからの日本は少子高齢化社会を迎えるわけだから、今、とってつけたように「同一労働、同一賃金」を導入しようというのは、高齢の正社員の昇給を抑えようとする陰謀なのではないかとすら思えてくる。

 この稿の筆者の考えは、給与というものは職務給(今何の職務を担当しているか)、職能給(どのくらいの潜在的なスキルがあるか)、年齢給(勤続年数に依らず、家庭の事情にも依らず、ただ何歳か)の三本立てで、しかも原資は三等分するくらいがちょうど良いのではないかと思う。だが問題は、人件費をどのように配分したら良いかという賃金体系の話だけにはとどまらない。今の日本では、雇用と賃金を組み合わせた労働環境で見ると、ローリスク・ハイリターン、あるいはハイリスク・ローリターンが平然とまかり通っている。

 正社員は高給を取るだけではなく将来の雇用保証がある。非正規労働者は、賃金が安いだけではなく、いつクビになるかわからない不安定な暮らしを続けなければならない。これでは社会正義の観点からみて、明かに不公正な身分格差と言わなければならない。

 筆者は、大まかに年収4百万円未満の労働者は、終身雇用も住居の移動を伴う転勤を拒む自由も保障すべきだと思う。4百万円から8百万円くらいまでは一定の雇用の保証はあるが、出向転属等は拒めない。そして8百万円を超える者は全員、800万円超は4年、1000万円超は3年、1200万円超は2年くらいの契約社員にしてしまうのはどうだろうか。高給を食む者は、次の契約がもらえないかもしれないリスクに甘んじるべきなのではないか。

 ハイリスク・ハイリターンの社会こそ「公正・公平」で自由な社会だと思うのである。
 
     
 

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