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Vol.111 分割協議が整ってなんぼの相続税申告
〜財産が未分割の場合の相続税申告〜

平成22年8月13日  執筆者:弘田 貴郎 税理士法人 エー・ティー・オー財産相談室

 
 相続税の申告期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10月以内です。相続財産の把握も大事ですが、それ以上に大事なことは遺産分割協議です。分割協議が整っていない場合にはいろいろな税務上の特例を適用することができずに、一旦は多額の税金を納税しなければならないような場合があります。今回は、申告期限までに遺産分割が整わなかった場合の相続税の申告についてのお話しです。


1.未分割の場合の相続税の申告

(1)概要
 相続税の申告は、原則として、相続人が相続により取得した財産について課税価格及び税額を計算して申告しなければなりません。しかしながら、相続税の申告期限までに分割協議が整わないため、各相続人の取得財産が確定しない場合があります。こういった場合には、各相続人が財産及び債務の金額を法定相続分により計算し、相続税の申告を行うこととなります。
 なお、相続財産が未分割の場合には、その未分割の財産については、下記の規定の適用を受けることができません。
 @配偶者に対する相続税額の軽減特例
 A小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例

(2)配偶者に対する相続税額の軽減の概要
 配偶者が相続又は遺贈により財産を取得した場合には下記の算式により計算した相続税額が軽減されます。
  算式; 相続税の総額×@/A
 @次のいずれか少ない金額
  イ)相続税の課税価格の合計額×配偶者の法定相続分
    (この金額が1.6億円に満たない場合には1.6億円)
  ロ)配偶者が実際に取得した相続財産の価格
 A相続税の課税価格の合計額
 したがって、配偶者が取得した財産については、法定相続分までは相続税が課されないこととなります。

(3)小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例の概要
 自宅や商売で使っている宅地については、所有や利用の継続等一定の条件のもと、その評価額を一定額減額することができます。例えば、自宅として利用していた宅地については、最大240uまでその評価額を80%減額することができます。

(4)3年以内に分割できた場合には・・・
 では、申告期限までに分割できなかった場合には、永久にこれらの規定の適用が受けられないのでしょうか。申告期限までに分割協議が整わなかった場合には、相続税の申告について未分割の状態で申告書を提出するとともに、「相続開始後3年以内の分割見込書」を提出し、申告期限後3年以内に分割協議が整った場合には、それぞれの相続人がそれぞれが取得することとなった相続財産に基づいて修正申告、又は更正の請求を行う際に、上記の適用を受けることができます。


2.遺産が未分割であることについてやむを得ない事由がある旨の承認申請書

 相続税の申告について未分割の状態で申告書を提出していた場合において、申告期限から3年を経過してもなお分割協議が整わなかった場合にはどうなるのでしょうか。何の手続きもしなければ、その後に分割協議が整ったとしても、もはや上記1.(1)@〜Aの規定を受けることはできません。しかしながら、申告期限後3年を経過する日から2月を経過する日までに「遺産が未分割であることについてやむを得ない事由がある旨の承認申請書」を所轄の税務署長に提出し承認を得ることにより、その適用期間を延長することができます。


3.当事者同士の話し合いが重要です!

 配偶者に対する相続税額の軽減・小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例、どちらも相続税の申告上、非常に重要な特例です。当初の申告の際にこれらの特例が受けられるかどうかにより用意すべき納税資金の額が大きく異なりますし、相続した土地の売却の有無、納税後の財産の手残り等、様々な点に影響が生じます。
 税務上、事後的に特例の適用を受けるための救済措置はありますが、できればこんな手続きを使わないに越したことはありません。
 相続財産は限られており、すべての相続人が納得いくような分割は実際問題としてなかなか難しいものです。また、トータルでの相続税の負担が一番低くなる分割案が必ずしもすべての相続人にとって納得のいく分割案になるとは限りません。財産の話ですからなかなか話しづらいかとは思います。かといって下手に当事者以外をその協議に交えたり自分の意思を他人に代弁させたりすると、思わぬ勘違いが生じたり、変な疑心を生じさせる場合が多々あります。まずは相続人同士、当事者として直接対話をすることが大事です。人の一生、財産分けの話なんて、そうそうある話ではないのですから。

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