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ATO通信

 
5153号 今からでも元に戻せば大丈夫?

平成17年2月28日 税理士法人 エー・ティー・オー財産相談室

 親子や兄弟の間で財産を無償でやりとりすれば、原則的には贈与税の課税対象です。しかし、贈与があったのかどうか、取り消しはいつまでならできるのか、申告はどうするべきか、については、税務職員も間違える悩ましい問題なのです。という訳で、贈与税の申告について考えてみました。

1.一般の方の誤解

 税務には全く疎い一般の方が、贈与税がかかるとは夢想だにしていなかったとします。例えば、親が建物を建築して、子の名義で登記をした場合です。子の名前で株券を買った場合でも結構です。これらの行為が、もし、課税されると知ったら、どんな行動をとるのでしょう。「だったら元に戻しますよ。」
 そう、まさにこれが本日のテーマなのです。贈与税がかかると言う理由だけで、それを避けるべく、元に戻せるのでしょうか。結論から言えば、できる場合とできない場合があるのです。決してどんな場合でも、元に戻せばそれで済む話ではありません。

2.税務職員の誤解

 同じ質問を税務職員にしてみると、例えばこんな回答が返ってきます。「今12月ですからね、3月15日の贈与税の申告期限までに、登記や名義を直せばいいですよ。その場合には贈与税の課税はありません。」
 それなら、この名義変更が2年前だったらどうなのでしょう?「今から名義を戻す?2年も前の話でしょ。既に確定した贈与ですから、今から変更はできません。贈与税を納めて下さい。」 つまり、贈与の事実を戻すのなら、贈与のあった年分の贈与税の申告期限前であることが必須の条件だ、それを過ぎたら戻せない、と信じて疑わないのです。 資産税の総ての税務職員とはいわないまでも、"100人に聞きました"をやったら、多分97〜98人が上記の回答をすることは必至です。

3.何故、税務職員は間違えるのか

 実務としての税務は、税法という法律に則って行われることになっています。しかし、法律だけではすべての細かな事象に対処ができません。そこで、課税当局は、税務職員向けに通達という形で、こういう場合にはこうしろ、ああしろと、マニュアルを設けているのです。
 上記の問題のケースについては、《名義変更等が行われた後にその取消し等があった場合の贈与税の取扱いについて》という通達があります。この通達をよく理解していないことに、税務職員が誤りを犯す原因があるのです。

4.通達の概要

 ここでちょっと、この通達にお付き合い下さい。概要をお話しすると、二つに分かれています。一つは有効な贈与が行われた一般的な場合。もう一つはいわゆる'ちょっとした間違い'で、その軽率さが色々な事情からも確認できる場合です。
 前者は贈与が既に有効に行われているため、基本的には贈与税の対象です。しかし、そうはいっても贈与税の申告期限前であれば、元に戻すことを条件に、課税をしない旨を定めています。情状酌量の余地あり、といったところでしょうか。ただ、本来的に贈与は成立しているために、申告期限後は仮に合意解除をして元に戻しても、課税関係は覆らないのです。 
 これに対し、後者はとにかく'ちょっとした間違い'です。人間なら無知も勘違いもあり得ます。そもそも、贈与なんて確たる意志がなかったのです。こんな場合には、最初の贈与税の申告や更正・決定という税務署の処分がなされる前であれば、元に戻すことを条件に、贈与税の課税をしないことにしています。税務署には珍しい温情なのです。

5.結局は税務職員の増差主義

 税務署のことを、よーく考えてみましょう。前号でも触れたように、納税者の誤りを見つけ、課税する事が彼らの実績になるのです。(失礼、適正な課税業務を執行なさって下さっているのです!) 彼らの実績にするためには、とにかく課税。贈与が有効に行われさえすれば、申告期限を過ぎたか否かで判断すればよいのです。本当は贈与が有効に行われたかどうか、ちょっとした間違いではなかったのか、なのにです。これを知らず、確認もせずにすぐに課税しようとするのが税務職員の悲しいサガ。
 つまり、あくまでも贈与の確たる意志などなく、軽率に、迂闊に、遠謀深慮もなかった場合には、それがいつであっても、元に戻せば贈与税の課税はありません。決して、贈与税の申告期限を過ぎたら何でも課税ではないのです。
 誰です、バレモトで名義の変更を考えているのは?贈与税の申告期限は3月15日です。今年も適正な申告を!

執筆者:阿藤 芳明

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