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ATO通信

 
5159号 相続税申告書の色々な提出方法

平成17年8月31日 税理士法人 エー・ティー・オー財産相談室

 相続税の申告は、相続人全員がその内容を確認し、一つの申告書を連名で提出するのが一般的です。しかし、ことは"争族"の申告です。いつも皆で仲良く一つの申告書、とばかりはいかないのが実状のようで、ときには相続人の数だけ申告書が提出されることも…

1.分割協議が整わない場合

 ご存知のとおり、相続税の申告書の提出期限は、原則的には亡くなってから10ケ月。遺言がなければ、相続人全員による分割協議によって、財産の分け方を決めなければなりません。ただ、この期間に相続人の話し合いが着かなくても、申告期限は待ってはくれません。そんな場合には、法定相続割合でいわば仮の申告、納税をし、分割協議がまとまってからやり直しをすることになります。このケースでは、とにもかくにも体裁としては、一つの申告書で提出ができる場合が多いでしょう。
 しかし、事態がもっと深刻で、話し合い自体ができない場合もあります。一部の相続人に財産を明示せず、敵対関係が露骨な場合です。こうなると、そもそも相続財産の全容も見えません。
 こんな時は、それぞれの相続人が暫定数値でいい加減な申告をするより他に方法はありません。こんなやり方で税務署に対し、通用するかどうかは別問題です。と言うより、税務署の格好のえじき。調査に着手さえすれば、彼らの手柄である"増差"は約束されたも同然だからです。こちらから、どうか相続税の調査に来て下さいと言っているようなものなのです。

2.遺言書がある場合

 それに対し、遺言がある場合、基本的には簡単です。遺言にすべての財産の分け方が指示されていれば、分割協議は必要ないからです。その指示に従って財産を相続し、それに基づく申告書を作成すれば事は足りるのです。財産分けによる醜い争いを避ける唯一の方法が、遺言であると言われる所以(ゆえん)です。
 ただし、遺言にもいくつか問題があります。具体的な分割方法が明示されていなかったり、一部の財産についてだけしか指示がない場合です。これではせっかく遺言があってもすべては解決できず、不十分な部分については分割協議を行わなければなりません。
 なお、そもそもの遺言の効力や効果に疑義がある場合には、遺言その物をめぐっての争いになってしまいます。その場合には、、基本的には分割協議が整わない、未分割の状況と同様です。相続人ごとに、とりあえず仮の申告をし、後日調整をするより他に方法はありません。

3.遺留分の侵害がある場合の申告方法?

 問題が複雑なのは、その遺言書に遺留分の侵害がある場合です。遺留分とは遺言によっても侵されることのない、相続人として最低限の相続ができる権利のことをいいます。配偶者と子が相続人の場合、それぞれの本来の法定相続分の半分が保護されるべき遺留分。これが侵害されている場合には、不満であれば遺留分の減殺請求といって、取り戻しができるのです。
 侵害があっても、遺言が直ちに無効になるわけではありません。それに異論がなければ遺言のとおり執行し、申告すればいいだけのこと。難しいのは遺留分の侵害があり、それに納得できない場合です。
 こんなとき、遺留分を侵害された相続人は、どのような申告をすればよいのでしょう。交渉によって現状よりは相続分が増える可能性はあるにせよ、現時点では財産額が確定できないのです。いくら仮の申告とは言え、遺言がとりあえず有効なら、その後の交渉によっても、取り分は最大で遺留分まで。とても法定相続分など期待できません。従って、法定相続分での申告など意味のないものに。まして、申告をすればそれに実際の納税が伴うのです。間違っても遺言どおりの申告などしてはいけません。相手方に遺言の内容に同意しているかの如く思われてしまい、その後の交渉が不利になってしまうからです。
 ただ、こんなケースでは相続財産についての情報は、主流派に独り占めにされていて、不十分なことが多いもの。苦し紛れに少額の申告をしてしまえば、加算税、延滞税等の余計な税負担も生じます。これが嫌ならとりあえず多めに納め、後日の調整を待つより他に方法がありません。とは言っても多めに納めるには資金が必要で、遺産の取り分が確定していない場合は資金繰りが困難です。何とも痛し痒しの状況で、相続人の立場としては、こんな遺言を残されないよう、生前から被相続人を大切にし、時にはお世辞の一つも言って良好な関係を築いておく以外、手立てはなさそうです。   

執筆者:阿藤 芳明

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