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ATO通信

 
5163号 『税務署が時々行う再チェック』
        〜財産を買換えた場合の引継価額〜

平成17年12月26日 税理士法人 エー・ティー・オー財産相談室
 税務署が従来はそれ程気にしていなかった事柄でも、何らかの理由から重点的に調べ直す事があります。納税者側の誤りが多く発見されるような場合です。所得税について、今年はそれの一つに事業用資産の買換え特例等を適用した場合の引継価額があります。要は減価償却費の計算の再チェック。意外に誤りが多いのです。

1.不動産を売却したら

 賃貸マンションを売却したら、言うまでもなく、譲渡税の対象です。利益が出れば、次の算式で売却益を計算することになるでしょう。
    売却額−(取得費+譲渡経費)=譲渡益
 問題は取得費、平たく言えば原価です。1,000万円で買った土地Aが1億円で売却できれば差引き9,000万円が利益。その1億円で土地Bを買った場合、普通は1億円がBの原価となるわけです。

2.事業用資産の買換え特例を適用すると…

 ところが事業用資産の買換えで特例を適用すると、話はちょっとややこしいことに。土地Bの原価は1億円にはならないのです。計算過程は省略しますが2,800万円にしかなりません。そのまま土地Bを持ち続けるなら問題は特にありませんが、再度Bを1億円で売却すると、今度は原価が2,800万円のため、7,200万円が課税の対象です。

3.建物の場合は問題が直ぐに顕在化

 上記は土地の例でしたが、これが建物の場合、売却をしなくても直ぐに税金の影響が生じてきます。何故なら、建物は土地と異なり毎年減価償却をするからです。土地Bではなく建物Bにした場合の減価償却の基になる金額は2,800万円、実際の建築価額が1億円でも、です。つまり、毎年の経費となる減価償却費が少ない分、利益が多く算出されることになってしまいます。
 あるお客様から賃貸マンション売却についての申告のご依頼を受けました。税理士の立場では新規のお客様の場合、確認が必要です。上述の買換えの特例の適用を受けていれば、建物Bのような計算になるからです。ただ、通常は建物Bの減価償却費の計算を間違えて1億円で計算しても、税務署も気がつくことが多いのです。売却を扱う資産税部門から不動産所得等を扱う所得税部門に連絡が行くシステムになっているからです。 
 なお、マンションには減価償却をしない土地部分もあるため、税理士は特例適用の有無について、細心の注意が必要です。この辺の確認を疎かにすると、後日、税理士の損害賠償責任を問われることにも。土地の価格は決算書を見ても記載がされていないからです。

4.事実が不明のまま申告したら…

 お客様にお聞きしても資料が残っていなければ、昔の事は解らないことが多いもの。まして、税法上の特例の有無など、解るくらいなら税理士には頼みません。という訳で、建物価額の推定から特例の適用がないものとして申告をしました。
 ところが、申告後に所得税の調査です。ここで我々が知らなかった驚愕の事実が明らかに。何と買換え特例の適用を受けておられたのです。つまり、減価償却の計算が10年近く間違ったまま放置されていた事が判明。前述の例で言えば、本来2,800万円で計算するものを1億円でやっていたため、長期に渡り相当額の得をしていた事に。売却しなければ税務署も気づかなかったのに、譲渡の申告が引き金になってしまったようです。

5.売却がなくても再チェック!

 そうかと思えばこんな例もありました。平成4年に事業用の土地を一部売却し、先程来の特例の適用を受けて、建物に買換えをなさったお客様です。所得税の申告を今年から当社でお手伝いさせて頂きました。別に売却をしたわけではないので、減価償却費の計算は前年を踏襲です。このお客様は買換え直後にも調査を受けており、特段の指摘は無かったとのこと。
 さて、この度所得税の調査を受けることになりました。前年分以前のことは我々には解りませんが、調査が始まって開口一番、平成4年の買換え時の処理が間違っている可能性があると言うのです。何を今更と思いましたが、建築当時の資料を見せろと言われても、現時点では残っていません。それに、買換え直後に一度調査を受け、その処理についてもお墨付きのはずなのです。それを何故10年以上も経ってから調査なのかと思っていたら、どうやら税務署も従来その確認をあまりしてこなかったようで、ここへ来て一斉に再チェック、と言うのが事の真相のようです。
 当方としてはその資料が無く、今の時点で立証できなくても責任はないはず。当時だったら立証できたのです。仮に税務署が職権で更正しても、勿論徹底抗戦のつもりです。当時の調査の不備を今更なんて…。税務署も思い出したように、時々こんな事をしてくれるので、やはり調査の時期は税務署から目が離せません。

執筆者:阿藤 芳明

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