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ATO通信

 
5168号 不動産所得がなくなる日

平成18年5月31日 税理士法人 エー・ティー・オー財産相談室
 個人の所得の中で、土地や建物を貸して得られるのが、ご存じの不動産所得です。実は、この不動産所得が所得税からなくなるかも知れません。税制調査会が昨年、個人所得税に関する論点整理と題して、その廃止を提言しているのです。

1.現行の不動産所得の取り扱い

 不動産所得と一口に言っても、その取り扱いは大きく二つに分けられています。事業的規模かそれ以外かという区分です。何をもって事業的規模かというと、@貸付資産の規模 A賃貸収入の状況 B貸付物件の管理状況等個々の事情を総合勘案して判定することになっています。そうは言っても実際の判定は難しいため、実務的には形式的な5棟10室基準が適用されることが多いのです。これは独立家屋なら5棟、アパート等の貸室なら10室以上が事業的規模であるというもので、物件ごとではなく所有資産全体での判定です。

2.事業的規模なら事業所得と同じ扱い

 不動産所得が事業的規模である場合、実質的には事業所得と同じ取り扱いになります。
 事業所得というのは、文字通り小売業、製造業等の個人での営業活動によって得られる所得を言います。不動産所得でも、事業的規模であれば、正に事業そのものであるという考え方なのです。
  さて、事業所得であれば、損益通算と言って、損失が生じた場合に他の所得との通算ができ、課税される所得が減少する結果となります。さらに、青色申告である場合には、同居の家族従業員に対して給与を支払うこともできるのです。所得税では原則として、同居の家族へ給与を支払っても、それを経費とすることができない反面、もらった側も収入とは見なされないことになっています。
 それが青色であれば、支払った給与は経費となり、もらった側は給与所得として課税の対象となるわけです。つまり、不動産所得を廃止しても、事業的規模を事業所得として扱えば、現行と全く変わりはないという考え方なのです。

3.事業的規模でないなら雑所得

 一方、事業的規模以外の不動産所得は事業とは言えない小規模なもの、と言うわけで雑所得の範疇です。雑所得となると損失が生じても他の所得との通算、つまり、損益通算はできません。さらに青色申告をしたくても、雑所得にはそれが認められていないのです。従って、同居の家族従業員への給与を支払っても、必要経費として認めてもらえない事に。
 結局、事業的規模でない場合には、損益通算が適用できない不利が生じることになってしまうのです。そもそも論として、その昔は不動産所得なるものは事業等所得に統合されていた経緯がありました。現時点では不動産所得に、既にその存在価値がないため、従前の形態に戻すというのが今回の議論の発端のようなのです。

4.会社法の出現も影響?

 平成18年5月から従前の商法に変わり、新たに会社法が施行されています。大きな特徴の一つとして、有限会社が姿を消し、株式会社に統合されることがあげられます。
 我が国の圧倒的多数を占める小規模な同族会社においては、オーナー一族での支配を確保するため、株式の第三者への移転、流出を防ぐ方策がなされています。具体的には、定款で株式の譲渡を制限しているのです。このような会社においては、今後の新法では取締役は1名だけの会社が可能で、しかも監査役も不要です。しかも、今後は株式会社の設立も運営も非常に簡便になるため、個人からの相当数の法人成りが予想されています。
 また、前述の不動産所得において、損益通算ができなくなる等の不利な状況を回避するため、個人でなく法人を設立しての運営を検討する方も増えてくることでしょう。会社法の出現はその勢いに拍車をかけること必至です。

5.法人か個人か?

 それでは、今後の不動産所得について、無条件に法人化が加速していくのでしょうか? 3月号のえ〜っと通信でも既にご紹介のとおり、本年の税制改正の目玉として、一定の法人役員の給与所得控除相当額が経費化できない措置が施行予定です。これは、左記4の会社法の影響による法人乱造による節税防止をも考慮してのことと想像されます。
 法人設立による税務上のメリットは確かに色々とあるものの、法人か個人かの選択はそれ程単純ではありません。ただ、不動産の売却損を他の所得と通算ができないことに続く今回の不動産所得の規制の動きです。所得税の締め付けがこれ以上増大すると、個人から法人へのシフトは止めようがないのかも知れません。

執筆者:阿藤 芳明

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