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法人化、資産移転時のポイントと誤解

5360号
 
    (2022年5月31日更新)   執筆者:高木 康裕

  法人化、資産移転時のポイントと誤解  所得税・住民税の最高税率は、復興税まで考慮すると55.945%です。これは、あくまでも所得が4000万円超の部分に適用される税率ではあるものの、稼ぎの半分超が税金です。個人的には50%超というのはいかがなものかと思ってしまいます。そこまでの所得がなかったとしても、個人は法人に比べると税負担が重くなる傾向は否めません。そこで、法人化(法人成り)を考えるのですが、法人への資産の移転、ポイントを押さえれば怖いことはありません。  

 
   

1. 法人化する際の売却価格

 法人化を行うときは、個人で所有している事業用資産などを法人へ移転することになるでしょう。その際における売却価格は当然時価を参考にして決める必要があるのですが、それはどのような価格にすれば良いのか。そのポイントは次のようなところでしょう。なお、移転する資産は様々なものが考えられますが、ここでは金額の大きい不動産を対象に考えましょう。
 (1)土地は公示価格
   土地の売買を考えるときは、時価指標の1つである公示価格が目安になります。路線価は公示価格の80%相当として定められていますので、実務的には相続税評価額を80%で割り戻した金額とすることが多いです。
 (2)建物は主に帳簿価額
   建物の売買を考えるときは、取得金額から減価償却費を控除した後の帳簿価額、いわゆる簿価が時価の目安です。そうは言っても、建物が古いと減価償却が終了して簿価が1円になっているものもあります。そういう場合には、固定資産税評価額なども参考にしながら問題とならないような価格を決めます。
 (3)マンションは取引事例価格も参考に
   マンション、いわゆる区分所有建物は土地と建物が不可分一体です。そのため土地と建物を合わせて考える必要があります。土地や建物そのものであれば、上記(1)や(2)の価格について税務署が文句を言うことはまずありません。ところが、マンションの場合には単純に土地と建物の合計額=取引時価になるというわけではないでしょう。そこで、マンションの相続税評価額や、上記(1)や(2)の金額も参考にするのですが、取引事例も調べましょう。マンションの取引事例価格は、インターネットである程度調べることができますが、不動産会社が活用している「レインズ」を用いれば、過去の成約価格や現在の売出価格を調べることが可能です。そこで、レインズの価格も参考にしながら、税務上問題にならない価格を決めていきます。ケースバイケースなので、税理士の経験と勘が求められるかもしれません。
 (4)時価の2分の1以上を死守する
   税務上問題にならない価格と(3)で述べましたが、そのポイントは何でしょう。法人化の際、わざわざ売却益を計上したくはないでしょうから、通常は多額の売却益が出ないように決めたいはずです。時価にはある程度の幅があるので多少の融通は利きますが、売主である個人が一番注意すべき点は時価の2分の1未満にはしないということです。万一これを税務署から指摘されてしまうと、多額の所得税負担が生じて目も当てられないことになるので、絶対に回避しなければなりません。マンションの場合には取引事例価格も気に留めて決定しましょう。


2.売却代金を授受しないと贈与になる?

 さて、無事に価格も決まり法人へ売却しましたが、代金の精算はどうしたら良いのでしょう。不動産であれば金額も大きくなるので、一括で代金支払いをできないケースが多いことでしょう。法人が借り入れするのも良いのですが、でもご安心ください。必ずしも一括払いにする必要はありません。売却代金は当事者間の貸し借りということにして、分割払いにしてしまえば良いのです。売買時に代金精算しなければ贈与になる?という話を聞いたことがありますが、そんなことはありません。税務上は売却代金の貸し借り、これを契約書に記載するなどしてしっかりと認識しておけば問題ないのです。


3.売却代金の分割払いと利息

 売却代金を貸し借りとして処理するのであれば、次は利息を定めないと贈与になる?とお話をされる方がいます。結論からいうと無利息でも問題はありません。法人化ですので、あくまで法人が個人から代金相当を借りているようなものです。このようなケースでは、非常識な取引きでなければ、通常は利息を認識しなくても課税上は問題が無いことになっているのです。


4.税務上のルールを知って上手に実行

 法人化にあたって、個人と法人との間で土地の賃貸借が生じるのであれば借地権課税の問題が生じないようにする必要があります。土地の無償返還制度や相当の地代制度を活用しつつ、場合によっては定期借地契約を考えることもあります。
 法人化すれば、役員報酬や給与の支給などを活用して所得の分散を図れるようにもなります。税務上のルールを押さえれば如何様にも対応できるのです。
 
 
     
 

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