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ATO通信 5256号

“行政指導”と言う名の税務調査?

    (2013年9月30日更新)   執筆者:阿藤 芳明

  “行政指導”と言う名の税務調査?  税務署もかなりお忙しいようです。なりふり構わず『決算書(収支内訳書)の内容についてのお尋ね』を濫発し、修正申告を期待しているのです。
 このお尋ねが、かなりの数のお客様のところに届いているようで。これは一体何ものなのでしょうか。しかも、面白い事に、"税務調査"ではないと言うのです。調査ではなくて、行政指導?
 それでは早速、その疑問、ナゾを解き明かしていきましょう。

 

 
   

1.『決算書(収支内訳書)の内容についてのお尋ね』とは…

 7月に行われる税務署の定期異動の前後くらいからです。個人で不動産所得のある方に対して、このお尋ねがかなりの数の方宛に発送されているのです。税務署のお尋ねは、不動産所得の経費のうち、租税公課、修繕費、借入利子、減価償却費等々の内訳を回答しろと言うもの。支払先の名称や修繕の内容、物件の所在地、支払金額の欄に続き、ご丁寧にもその金額の内、経費に算入した額を記載しろと言うのです。支払った金額の内、経費に算入した金額は本当にそれでいいんですか?自宅部分が混入していませんか、税務署はそこを疑っているんですよ、と言うものなのです。

2.このお尋ねの注目すべき点は

 このお尋ねの冒頭に、こんな文章が添えられています。『この"お尋ね"は調査として実施しているものではなく、行政指導としてお尋ねしているものです。なお、お尋ねに伴う自主的な見直しにより、修正申告書等が提出された場合については、加算税が免除されます』と。
 これをご覧になって、直ぐにその意味がお分かりになった方は、ほとんどいらっしゃらないでしょう。相当に奥が深いのです。
  通常、税務署が一般の方向けに質問する場合、それは質問検査権という職権に基づく税務調査なのです。しかし、これはわざわざ税務調査ではないと言っています。実は、ここがこの文書のミソなのです。

3.税務調査であれば

 平成23年度の税制改正で、国税通則法と言う法律の改正が行われ、税務調査のやり方がかなり変更されているのです。調査を実施するに当たっては、事前に調査の対象となる方と税理士の双方に、色々な項目を連絡しておかなければならないのです。具体的には、調査の日時や場所の他、目的、対象となる期間や帳簿書類等々、結構面倒な仕組みになっています。滅多やたらには、調査ができない仕組みなのです。
  従って、今までのように、安易に軽い気持ちで経費の内訳を提出せよ、相手先を明示せよ、とは言えなくなってしまったのです。そうは言っても、少ない税務職員の数で、最大の調査結果を期待したいのが税務署の本音でしょう。
  まして、このようなお尋ねが書面で来れば、一般の方はビックリです。脛に傷のある方は、筆者が見ただけでも相当数に上ることは間違いないのですから。

4.便利な"行政指導"

 そこで考え付いたのが、税務調査ではなく"行政指導"なのです。これなら調査の目的から始まって、対象となる期間だの帳簿だのと面倒なことは必要ありません。調査の対象となる方と税理士双方に連絡する必要もないのです。
 つまり、お手軽に『税務署はあなたの申告内容、疑ってますよ!』と、軽いジャブを繰り出すことが可能なのです。"行政指導"とは、何と便利な言葉なのでしょう。

5.便利さの代わりに失ったもの

 税務署だって、これで総てが円満に解決できた訳ではありません。調査でないと言い切ったからには、修正申告が提出された場合にも、『加算税』と言うペナルティーが課せられないのです。
  通常、税務署に『あなたの申告内容疑っていますから、内訳を教えて下さい。』と言われるのは、既に述べたように、質問検査権と言う権力の発動なのです。従って、税務署に言われて修正申告を提出すれば、調査に基づく修正申告になる訳で、ペナルティーが課されるのが自然な道理。
 しかし、です。その修正申告は納税する方が、税務署から言われたからではなく、自らの意思で、良心や善意から湧き出た感情で申告内容を訂正した物なのです。だからこそ、ペナルティーは無し。

6.損得勘定で考えれば…

 はっきり言って、税務署は損得勘定で考えたのでしょう。このようなお尋ねは、実は以前から行われていたのです。大口資産家と言われる高額な不動産所得の方を除き、自宅と小さなアパートだけの方を相手に、わざわざ税務調査を行う程、税務署は暇でもないし、第一人数不足なのです。調査は行い難くなる、人員は不足する、不動産所得の調査までやっていられない、そんな諸般の状況を考えれば、ペナルティーは諦めよう。但し、少しでも脛に傷ある人から修正申告を取ってやろう。と、これは筆者のうがった思い込みでしょうか?
 
 
     
 

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