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ATO通信

 
5187号 等価交換の損得勘定

平成19年12月27日 税理士法人 エー・ティー・オー財産相談室
ひと頃影を潜めていた“等価交換方式”によるマンションの建設が、この頃またちょっと気になる存在になってきました。土地の価格と密接に関係するのがこの手法の特徴です。税務上も非常に有利な反面、思わぬ落とし穴も。実行の前にはご自身の状況を分析して、十分な検討が必要です。

1.等価交換とは

 土地はあるが借入れをしてまで賃貸物件を建設するのはどうも…と言うとき役に立つのがこの等価交換方式です。ディベロッパーが建築代金を立て替えて建物を建築し、地主さんの建物取り分に相当する代金を土地で充当する方法です。つまり、土地の一部をディベロッパーに売却し、その代金で建物を建築する共同事業と言う訳です。言ってみれば、土地と建物の交換です。しかし、仮に現金の授受が全く行われない場合でも、税務上は原則として土地の売却となり、譲渡税の課税対象となってしまいます。
 但し、後述のように一定の条件を満たせば、土地を売却した際の譲渡税の課税はありません。適用できる期限も特になく、使い勝手の良い特例で立体買換えとも呼ばれています。

2.適用のための条件とは

 既成市街地やこれに準ずる区域内等にあれば適用されるため、東京近郊であればまず何処でも問題ありません。土地の所有期間も用途も規制はなく緩やかな条件ですが、3階建て以上の耐火構造等の建物で、1/2以上が住宅であることが条件です。建築後はご自身又は親族の居住用の他、ご自身が事業用にお使いになるのも賃貸する事もOKです。その意味では適用を受けるための条件として、決して難しいものはないと思われます。そして、売却した土地と購入した建物が全くの等価であれば、譲渡税は無税という優れものなのです。

3.事業用資産の買換えと同じ問題が内在!

 しかし、事業用資産の買換えを適用して、土地を建物に買換えた場合と同じ問題点を抱えています。それは、土地の売却に際して課税が無い替わりに、建物の取得価額が実際の建築価額ではなく、非常に少額なものになってしまうと言う点です。
 等価交換で建物をご自宅としてではなく、事業用や貸付用にお使いの場合、本来は建物の建築費用を減価償却費として経費に出来ることになっています。しかし、その計算の元になる建物価額が低く抑えられてしまうため、結果として経費となる減価償却費の金額が少額になってしまうのです。
 前述の事業用資産の買換えの場合、どれ程高額な買換え資産を購入しても、必ず最低限の課税はあります。しかし、その分だけ減価償却の対象として、後日経費になる部分は残されることになるのです。それが等価交換では、土地と建物が全くの等価であれば、売却時に1円の課税もない替わりに減価償却の対象は極々少額になってしまいます。売却部分の土地の取得価額を引継ぐからです。

4.土地が高ければ等価交換も有利に!

 等価交換は土地と建物の交換であると申し上げました。従って、土地の価格が高額であればある程、取得できる建物部分は多くなる仕組みです。
 実は、昨今等価交換が復活してきたのも、一時に較べて土地価格が上昇してきたためなのです。特に都心ではかつて程の勢いはないにしても、まだまだ地価は高水準。相応の床面積が確保できる状況です。

5.償却費が少額でも等価交換不利ならず

 減価償却費が少額だと、経費が少ないため不動産所得が多くなり、課税の対象額が大きいと言うことになってしまいます。課税所得が1,800万円を超える部分は所得税・住民税合計で税率50%の世界です。一方、等価交換や買換えの特例を使わず、一旦売却して通常の譲渡税を負担する場合の税率は一律20%。その上で建物を取得すれば減価償却は本来の建物価額全額が対象となるのです。
 しかし、こんな地主さんの例もありました。都心にも拘わらず、後継者のいない商店街です。10数人の商店主がそれぞれ借地人なのですが、営業を廃止して等価交換によるマンションへの建て替えを検討です。借地人の方は経済的な余力もなく、また所得も低いため、償却費が少なくても影響は軽微。問題は地主さんです。この地主さん、所得金額が多額なため、減価償却が少ないのは不利な状況。とは言え等価交換の特例を使わず、単純な譲渡となれば、地価の高騰と相まって税額が2億円を超えてしまいます。ここで等価交換方式と単純な売却との比較検討を行いました。結果は上記2億円を通常の所得税で負担すると38年もかかる計算に。勿論金利も何も考えず、単純計算での比較です。38年の間には金利も変動し、何より税制だってどう変わるか分かったものではありません。こんな時は等価交換方式で当面の税額を少なくして様子を見るのも一法です。いずれにせよ、素人判断は禁物で、複雑な税制のお陰で我々税理士は今日も生活の糧にありつけそうです。  

執筆者:阿藤 芳明

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