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ATO通信


5211号 遺言の執行について考える

平成21年12月25日 税理士法人 エー・ティー・オー財産相談室
 お客様の遺言の作成をお手伝いする事がよくあります。確かに“争族”にならないために、遺言の作成は有用です。さて、実際に相続の開始となった時、遺言に書かれた事を実行していかなければなりません。これを遺言の執行と言いますが、誰がどれくらいの費用でやってくれるのでしょうか?相続人自身ではできない事なのでしょうか?

1. 遺言の執行者

 遺言書に執行者が指定されていなければ、家庭裁判所に選任の申し立てをする事ができます。その場合、裁判所の選任と言う事から、相続人間の調整をしながらの適切な執行は期待できます。これに対し、遺言者が特定の相続人や信頼できる人物を遺言により指定する事もできます。遺言の執行とは、遺言に書かれていることを忠実に履行する事です。従って通常の場合は特別難しい作業ではありません。ただ、相続財産の不法占拠者がいたり、家賃の未納の取立て業務があったりと面倒な場合には、弁護士さんへの依頼が必要にはなるでしょう。

2.具体的な作業内容は?

 財産の明細が遺言書に記載されていれば、具体的な作業としては、不動産の登記を変更したり、銀行や証券会社で名義の変更をしたり、と言う事が多いでしょう。執行人が直接にその作業をしなければならないと言う事ではありません。例えば不動産の登記変更手続きは、実際には司法書士の仕事。つまり、司法書士へ依頼する事までが執行者の役目です。金融機関の名義変更も同様です。これは登記のように特別な資格がなくてもできる作業なので、もし煩雑であれば委任状を作成して誰かにやってもらうことだってできるのです。

3. 通常は簡単な作業が大半です!

 つまり、遺言の執行と言っても、大半はそれ程難かしい事ではなく、粛々と進めていけばできることばかりなのです。勿論特別な場合には弁護士さんの力を借りる事はあるでしょうが、むしろ例外と言ってもいいのではないのでしょうか。
 但し、遺言の中には作成の際に専門家へ相談せず、ご自身で作成したものも散見されます。遺言執行者が先ず行うべきは『財産目録』の作成なので、この手の遺言で財産の全容が分らない場合、財産が特定できず苦労が多いかもしれません。
 いずれにせよ、本来それ程多額な執行費用は必要ないのです。その意味でどこかでやっているような、相続財産の財産価額を計算し、単純にそのナン%の執行報酬などという計算は、私には納得の行くものではありません。

4.執行報酬を抑えるなら

 その意味で、執行報酬を抑えるなら相続人の一人に指定するのも一つの方法です。但し、相続人間の感情の対立を生む可能性もありますので、その場合は注意が必要です。当事務所でも遺言の執行者となり、そのお手伝いをしています。但し『報酬を得る目的で、業として行う』ものではないため、弁護士法にも抵触するものではありません。前述のように司法書士なり相応の専門家に作業を依頼する事までが仕事なのですから、その部分で報酬を頂く必要もない訳です。

5.遺留分の侵害がある場合でも

 遺言には遺留分と言う、相続人としての最低限の権利が保証されています。例えば夫婦の間に長男、次男がいて父の相続が開始された場合です。総ての財産を長男一人に相続させる旨の遺言があったとしましょう。誰一人この遺言に異を唱えなければこの遺言は有効です。が、配偶者にも次男にも最低限の相続をする権利は残されていますので、文句を言うことはできるのです。この場合には配偶者は法定相続分である1/2の1/2、つまり財産の1/4、次男も法定相続分である1/4の1/2、つまり1/8がそれにあたります。
 ただ、仮に遺留分が侵害された事に異を唱えられても、とにもかくにも遺言どおりに総ての財産を長男名義にする事はできてしまうのです。その上で遺留分の侵害分について、他の相続人と話し合うことになるでしょう。遺言はそれ程強い効力のある書類なのです。

      

6. 相続時精算課税も有効です!

 この稿でも何度か取り上げた相続時精算課税、実は被相続人のご意志を確実にするためには非常に有用な方法です。ここで制度の詳細には触れませんが、必ずしも節税目的には合致するものではありません。この制度を使えば相続以前に名義の変更は可能で、前述の遺言の執行を待つまでもありません。但し、後日遺留分で争いになった場合には、いくら生前の贈与でも、そして名義が被相続人から相続人へ変わっていたとしても、本来の相続財産として遺留分の計算は行われてしまいます。相続財産から除外される訳ではないのです。
 今まで数々の相続の争いを見、立ち会ってきました。その立場からは、相続時精算課税を含め、税務の問題をクリアーした遺言を作成し、遺言の執行者までをも決めて、遺言者のご遺志が達成される事を祈るばかりです。

執筆者:阿藤 芳明

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