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Vol.104 預金の残高だけが相続財産ではありません
〜相続開始前3年以内の贈与財産の加算〜

平成22年1月15日  執筆者:弘田 貴郎 税理士法人 エー・ティー・オー財産相談室

 
 相続税は、原則相続開始時点における財産について課税されます。「相続に備えて子供に贈与をしよう。子供の名義にしてしまえば相続税が課税されることはない。贈与税の申告も納税もするんだから大丈夫だ。」しかしながら、相続開始前の3年以内の贈与については、たとえ贈与税を払っていたとしても、相続財産に取り込み、相続税を計算するという規定があります。今回はこの相続開始前3年以内の贈与財産の加算についてのお話です。


1.制度の概要

(1)概要
 相続又は遺贈により財産を取得した者が、その相続開始前3年以内にその相続に係る被相続人から財産を贈与により取得したことがある場合には、その贈与財産については、相続税の課税価格に加算した上で相続税を計算することとされています。つまり、相続開始前3年以内の贈与財産については、相続税で課税をし直すこととなります。
(2)加算される額
 加算される財産の評価額は、贈与時の評価額です。また、贈与税が課税されたかどうかは問いません。たとえば、現金50万の贈与を受けた場合には、贈与税は年間110万円までは非課税ですので贈与税はかかりません。しかし、3年以内の贈与財産の加算対象にはなりますので、この現金50万円は相続税の課税価格に加算した上で、相続税を計算することとなります。また、贈与税の配偶者控除(2,000万円まで非課税)の適用がある贈与を受けた場合には、非課税枠の2,000万円を控除した後の評価額が加算の対象となります。また、平成21年分から対象となる住宅取得資金の贈与についても同様に非課税枠の500万円を控除した後の評価額が加算の対象となります。
(3)相続により財産を取得していない場合
 相続開始前3年以内の贈与財産が相続税で計算されるのは、あくまで被相続人から相続又は遺贈により財産を取得する者に限られます。したがって、被相続人から相続又は遺贈により財産を取得しない者については、相続開始前3年以内の贈与財産が、相続税で計算されることはありません。

2.相続時精算課税制度を選択している場合

(1)概要
 相続時精算課税制度(詳細な説明は割愛します)を選択している場合、相続税として課税し直す範囲は上記1.のように相続開始前3年以内に限らず、この制度を選択した後の贈与財産すべてが計算の対象となります。たとえ、この制度に基づく贈与が10年前であっても、です。
(2)加算される額
 加算される財産の評価額は、通常の贈与と同じ贈与時の評価額です。なお、相続時精算課税制度上の非課税枠は考慮されず、贈与財産価額が全て取り込まれます。
(3)相続により財産を取得していない場合
 上記1.の(3)の場合とは異なり、相続により財産を取得していなくても、その贈与財産は相続税財産に加算され、相続税が計算されることとなります。


.3.支払った贈与税の取り扱い

(1)上記1.の場合
 上記1.の場合、相続税の課税価格に加算された財産につき支払った贈与税があるときは、相続税を計算した後その贈与税額は控除されます。しかしながら、計算した相続税額が支払った贈与税額よりも少ない場合には、相続税額はゼロとなりますが、控除しきれなかった贈与税額は切り捨てられます。つまり控除しきれなかった贈与税額は還付されることはありません。
(2)上記2.の場合
 上記2.の場合、相続税の課税価格に加算された財産につき支払った贈与税があるときは、上記3.の(1)と同様に相続税を計算した後その贈与税額は控除されます。また、計算した相続税額が支払った贈与税額よりも少ない場合には、相続税額はゼロとなり、かつ、控除しきれなかった贈与税額は還付されることとなります。
 つまり、相続時精算課税制度を選択しているか選択していないかにより過去に支払った贈与税について還付を受けられたり受けられなかったりすることとなります。


4.贈与のご利用は計画的に

 将来の相続税負担を見越してお子様・お孫様に財産を贈与する。よくあることだと思います。しかしながら、場合によっては相続税で払った方が、結果、税額が安く済んだなんて場合もあり得ます。特に、相続時精算課税制度を選択していない場合は注意が必要です。年間110万円までは非課税だからといって毎年110万円贈与をしていても、効果が期待できるまでには相当の年数を必要とするでしょう。一時に多額の贈与をすれば、多額の贈与税負担が生じますし、相続税の方が税金が安く済んだなんてこともあり得るでしょう。
 贈与を行う場合には、まず、現状の相続税額の試算を行った上での検討が必須と言えます。

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