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相続財産が分割できないときはどうするの?

254号
 
    (2022年6月15日更新)   執筆者:増田 優樹

  rire254  相続が発生した際に、亡くなった方の遺言がない場合には、相続人間で遺産分割協議を行い、取得財産を決める必要があります。
 しかし、相続人間で長期にわたり争いが生じ、相続開始のあったことを知った日の翌日から10ヶ月以内である相続税の申告期限までに分割を決めることができないこともしばしばあります。だからといって、何も手続きをしなければペナルティが発生し税金を余計に納める必要が出てきます。そこで今回は、遺産分割協議が整わない場合の税務上の手続きについてご紹介します。
 

 
   

1.最初に

(1)亡くなった方の準確定申告
   年の中途で亡くなった場合には、相続開始のあったことを知った日の翌日から4ヶ月以内に所得税の確定申告、いわゆる「準確定申告」を行います。この場合、所得税がある場合にはそれまでに納付する必要があります。提出方法は、各相続人が連署により提出する方法と他の相続人等の名前を付記して別々に提出する方法があります。別々に提出する場合には、他の相続人に提出した内容を通知しなければならないことになっています。所得税を仮に代表の方が納める場合には、遺産分割協議の際に最終的には誰が負担するのか決める必要があるでしょう。
(2)未分割での相続税申告
   相続税の申告期限までに遺産分割ができない場合は、法定相続分で遺産分割したものとして計算をします。相続財産の合計額が基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の人数)を超える場合には相続税の申告期限までに申告をして納付をします。
 よって、財産の分割が整わないにも関わらず上記の申告期限までに相続税を一括納付しなければなりません。一括納付が困難な場合には、一定の要件を満たせば延納申請書を提出し、許可を受けた上で年賦による納付とすることもできます。

2.相続財産に賃貸不動産などの収益物件がある場合

 亡くなってから遺産分割協議が整う間、亡くなった方の財産は、相続人間での共有状態となります。
 たとえ、賃料の入金先の口座変更手続きを行っていたとしても亡くなった方が所有していた財産に係る所得のうち法定相続分は各相続人の所得です。よって、相続開始から遺産分割協議が整うまでの間は、毎年その年分の所得税の確定申告を翌年3月15日までに行う必要があります。遺産分割協議が整った場合でも共有状態であった間の所得に関しては遡って訂正することはありません。

3.相続税の特例

 配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例など(特例の内容についての説明は割愛します)は遺産分割等で実際に取得した財産を基に計算されることになっているため、未分割の場合には適用できません。
 上記の特例の適用を受けるためには、申告期限から3年以内に分割できることを要件に、上記1(2)の未分割で申告する相続税の申告書に「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付して提出する必要があります。しかし、申告する段階では上記の特例は適用できないため、特例を適用できる可能性のある場合には、一旦は本来よりも多く相続税を納める必要があります。
 また、3年以内に分割ができない場合はどうなるのでしょう。裁判など相続等に関する訴えが提起されているなどの一定のやむを得ない事情がある場合には、申告期限後3年を経過する日から2ヶ月を経過する日までに「遺産が未分割であることについてやむを得ない事由がある旨の承認申請書」を提出し、所轄税務署長の承認を受けることで対応可能です。このような場合には、遺産分割確定後に下記4で説明する更正の請求をすることにより、これらの特例の適用を受けることができます。

4.遺産分割協議が整った場合

 法定相続分で申告した後に、遺産分割が決まり、相続する割合が変わり、その分割に基づき計算した相続税額が当初申告した相続税額よりも多い場合には修正申告をすることができ、当初納付した相続税額との差額を納付します。少ない場合には更正の請求をすることができ、当初納めすぎた相続税との差額を還付してもらいます。なお、更正の請求ができるのは、分割のあったことを知った日の翌日から4ヶ月以内ですので忘れないようにして下さい。

5.まとめ

 もめずに早い段階で決着することが一番ですが、分割できないからと言って何も手続きをしないでは、遺産分割協議が長くなるほど、精神的な負担だけでなく納税額などの金銭的な負担も出てきます。
 よって、親族間で遺産分割協議が整わない状況であってもあらかじめ必要な手続きは把握した上でできる限りのことは行うことが良いでしょう。
 
 
     
 

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