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TOPえ〜っと通信平成19年度の税制改正 70号

え〜っと通信

70号

2007年3月15日

村田 知生

平成19年度の税制改正

昨年12月14日に自民党税制改正大綱・12月19日には財務省より平成19年度税制改正の大綱が発表されました。これに基づき税制改正が行われます。
今回の税制改正は税率など重要な部分は先送りし、会社法の施行・信託法の改正・税源移譲など制度の変更に税制を合わせるための改正が中心でした。


1.平成19年度税制改正大綱より主な項目をご紹介いたします。


2.重要な点の詳細

 上記のうち特に重要と思われる点について、ご説明いたします。
(1)減価償却制度
  国際競争力を強化するため、主要国の中では日本においてのみ設けられている償却可能限度額(95%)を撤廃することになりました。

(2)住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除の控除額の特例
  地方への税源移譲により中低所得者は、所得税(国税)が減少し住民税(地方税)が増えることになりました。そのため今までのローン控除の計算ではせっかくの税額控除額を所得税から引ききれないことになってしまいます。それを防ぐために少ない税額控除をより長い期間にわたり受けることを選択できるようになりました。



(3)長期保有土地等に係る買換え特例
  この特例は適用期間の延長があるのか無いのか昨年末ぎりぎりまで不明であったため、気を揉んだかたも多かったと思います。ひとまず平成20年末まで延長となりました。しかし自民党税制改革大綱の検討事項に他の買換え特例制度とのバランスにも配慮しながら見直しについて検討すると書かれておりますので次の延長があるかどうか、またやきもきすることになりそうです。

(4)国税の納付手続
  この改正により国民年金保険料や自動車税のように国税もコンビニエンスストアで納付することができるようになりそうです。


3.まとめ

  平成19年度の税制改正による国税の一般会計分税収は4,080億円の減少と試算されています。次年度は消費税の増税をやらなければならないでしょう。今年度の改正は企業にやさしく個人に厳しいといわれていますが、消費税増税となると益々末端消費者の税負担は重くなります。個人が豊かになってこそ美しい国と言えるのですけど...

※執筆時点の法令に基づいております