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今月の言葉

2026年8月31日

南瓜

 この稿の筆者は、幼時、南瓜が苦手であった。それは何故だったのかを考えている。
 たぶん、幼い子供は(あるいは少なくとも筆者は)、はじめてのモノを食するときに、自分が期待し想像した味と全く違う味だと、そのモノが苦手になってしまうのではないか。筆者は、丸い緑の南瓜を見て、野菜ではなく果物だと思い、おそらくはメロンの同類であろうと、甘い、みずみずしい味を想像した。南瓜の中を割って、ほっこりした黄色い実に出会っても、もっと甘い薩摩芋の同類ではないかと想像し、いざ食べてみると先ずそれは果物ではなくれっきとした野菜であり、その味は(昔の南瓜は今ほど甘くはなく)野菜特有のかすかなえぐみを伴ったものであったことにびっくりしてしまったのだと思う。長じてから南瓜を好きになったのは、野菜の煮物としてとか、南瓜の鶏そぼろ餡かけとか、いわば「酒食」の一員として南瓜を認識するようになったからだ。小学生の頃くらい迄は、給食などに南瓜が出てくると、なんとなく避けていたように思う。
 さて、南瓜(かぼちゃ)の語源は、「カンボジアから来た瓜」が有力だが、南瓜の原産地は中南米の高原地帯である。日本には、天文年間(1532~55年)に、ポルトガル人がカンボジアの産物として豊後大分に持ち込んだもの。コロンブスの新大陸発見から僅か半世紀もしない間に、南瓜は地球を(たぶん東回りで)半周して、日本にやってきたことに驚かされる。この鎖国前に入ってきた南瓜がいわゆる日本南瓜であり、「南京(ナンキン)」、「ボウブラ」などとも呼ばれた。
 現在日本での栽培の主流となっている西洋南瓜の方は、19世紀の開国後、アメリカから持ち込まれたと言われており、日本での栽培が広まったのは明治時代になってからと言う。現在、栽培されている主な品種には、えびす、くりゆたか、くりほまれなどがある。(ⅰ)
 南瓜は別名唐茄子(とうなす)とも言い、落語の「唐茄子屋政談」に登場する。この落語は、遊びが過ぎて勘当された若旦那が、唐茄子売りの行商になって、貧乏長屋を売り歩き、そこで出会った人々と織りなす人情話である。「明け烏」「船徳」などとともに、いわゆる「若旦那もの」として、今はなき古今亭志ん朝などが得意とするところであった。
 以下は、南瓜を如何に食するかという料理話である。この稿の筆者の筆頭お勧めは「南瓜の冷製クリームスープ」である。コンソメブイヨンとともによく煮た南瓜をミキサーで砕き、ポタージュ状にして生クリームを少し加えて冷やすという至って簡単なレシピ。煮る前の南瓜を一度電子レンジでふかしておくと、より早く上手に調理することができる。次には前述の南瓜の鶏そぼろ餡かけ。南瓜は和風だしと砂糖を加えて煮てから、鶏挽肉にみりんと醤油を加えたものを入れてさらに数分、最後に片栗粉をいれてとろみをつけてできあがりである。(ⅱ) ほかには、南瓜をサラダにするレシピがいくつかある。サラダの中での筆者お勧めは、「間違いない☆かぼちゃサラダ」。最近の南瓜は、甘みもあり、ポテトサラダの代わりによくマッシュした南瓜を少量のマヨネーズとともに和えて、酢と砂糖で下味をつけてスライスした胡瓜やハム、コーンなどを添えて食べるというものである。

ⅰ 鹿児島県指宿市のホームページを参考とさせていただいた。

https://www.city.ibusuki.lg.jp/main/fp/machi/nouchiku/page004673.html

ⅱ cookpad
 「ほっこり美味かぼちゃ鶏そぼろあんかけ」

https://cookpad.com/jp/recipes/19783890

 「間違いない☆かぼちゃサラダ」

https://cookpad.com/jp/recipes/17359525