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Vol.66 相続の承認・放棄のための「熟慮期間」


平成18年11月15日 執筆者:二見 和美 税理士法人 エー・ティー・オー財産相談室
相続が起きた場合、財産の承継の問題が発生します。この場合、税金の心配よりもなによりも、何を遺して亡くなったのかということをきちんと把握するのが第一歩です。ところが、調べ始めてみると思いのほか厄介な問題が見つかることもあります。思ったより預金は少なかった。逆に多額の借金が残っていた。土地はいったいいくらの価値があるのか。果たして借金を返せるのか・・・・。
最終的な相続財産はプラスなのかマイナスなのか見当がつかない。こうした事態に、まず自己の安全性を考えて「相続の放棄」という制度を思い浮かべる方も多いと思います。そこで今回は、放棄についてじっくり熟慮してみることにしました。


1. じっくり考えることができる期間は3ヶ月
  

 民法では、亡くなった方(被相続人)の財産を承継するか放棄するかについて、相続人自らが選択できることになっています。
  一般的に「相続する」ということは『単純承認』と言われることを指します。相続人は被相続人のすべての財産と債務を無条件、無制限に承継することになります。民法ではこれについての手続き等は規定していませんので、相続の放棄や限定承認の手続きをしない場合には、単純承認をしたものとみなされます。

この放棄や限定承認の手続きができるのは、相続人が相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内と定められています。通常は被相続人の死亡の日から3ヶ月以内と考えてください。


2.熟慮期間内に調査と手続きが必要

 実に慌ただしい期間であるこの3ヶ月の間に、相続財産を調査して債務超過になっているのかどうかを確認するのです。そのうえで、手続きをとる必要があるのか、判断しなければなりません。この期間のことを「熟慮期間(考慮期間)」と呼んでいます。文字通り、承認でよいのか、放棄したほうがいいのかを、じっくり考えるための期間です。原則としてこの期間を過ぎてしまうと、相続放棄も限定承認もできないことになります。
  相続の放棄は、放棄をしたい相続人ごとに、家庭裁判所に対して所定の書面をもって申述をするという手続きによってはじめて、法的な効力が生じます。生前に念書を書き、書面を作成して放棄の意思表示をしていても、何の効力もありません。
  一方、限定承認は、相続人の全員で、家庭裁判所に対して所定の書面に財産目録等の書類を添えて申述しなければなりません。
  ところで、限定承認を行った場合には、特別な税務上の手続が必要となりますのでご注意ください。相続財産が土地など譲渡所得の基因となる資産であれば、相続開始の日に被相続人から相続人に財産が時価で譲渡されたものとみなされますので、被相続人の譲渡所得を含めた申告(死亡後4ヶ月以内に行ういわゆる準確定申告)が必要となるからです。


3.熟慮期間は延長ができることも

 とはいえ、相続財産の内容が多額で複雑な構成だったり、借金についての明確な資料が発見できなかったりすると、とても3ヶ月では足りないこともあるでしょう。こうした場合には、3ヶ月であきらめることはありません。特別の事情がある場合には、家庭裁判所に熟慮期間の延長(伸長)を請求することができるのです。
  申立て後、家庭裁判所でその申立てを相当と認めた審判を受ければ、熟慮期間は伸長されます。伸長期間は、申立てに拘束されず、具体的事案に応じて相続財産の調査等のために必要と認められる期間を判断して裁判所の裁量によって定められることになっています。


4.申立てには相当の理由が必要

  こんな事例もありました。相続が開始したのは4月、多額の借入金の存在が明らかではあったのですが、相続財産のほとんどが個々に実測も行われていない貸宅地だったのです。このケースでは、その宅地の貸付先が膨大な数であること、8月の今年度の路線価発表の後でなければその資産の正確な金額を把握することができないことなどを理由として10月まで、3ヶ月間の期間伸長を請求し、実際に期間伸長の審判を受けることができました。
  ただし、申立ては原則として当初の熟慮期間である3ヶ月間のうちに行わなければなりません。また、単なる決断猶予のためだけではない、相当の理由が必要です。実務的にはこの判断も難しく、こうしたケースに該当しそうな場合には、とにかく早い段階からの専門家との連携がなによりも大切になってきます。

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