自動車と自転車の功罪を比較すると、特に環境(地球温暖化に対する影響)や健康面での効能から、断然自転車に軍配が上がることは、よくわかっている。だが、それでも自動車の運転をする者として、昨今の道路上での自転車の横暴には我慢ならない。今月は、以下に述べる諸々の罪状を掲げて、自転車が我が国の道路で如何にのさばっているかを糾弾することにしたい。
自転車の罪状その1は、なんと言っても「すり抜け運転」である。道路の左側車線を走る自動車が交差点や信号に近づき徐行を始めると、後ろから自転車や自動二輪車がかえって速度を上げて自動車の脇をすり抜けようとする。そもそも一つの車線を走る車両同士であれば、同じ車線の前の車を追い抜くときには、右向きのウィンカーを出して、右から抜くのが我が国の作法であり、同一車線の左側から前の車をかわそうとするのは、立派なマナー違反である。のみならず、自動車の運転者に余計な安全確認のストレスを与えるという意味で、危険な走行であると言わざるを得ない。
罪状その2は、走りながらスマートフォンを操作したり、SNSやメールを見たりする行為である。自動車にもカーナビという道具が付いていて、運転中にそれに注目してしまうと前後左右の安全確認がおろそかになることが知られている。が、カーナビはまだ単語や静止画像程度の意味伝達であるが、SNSやメールは複雑な構文を持った意味の伝達手段であり、それだけカーナビより注目時間が長くなり、より危険度が増す。実際に、歩道を走る自転車(自転車が例外的に歩道を走ること自体はかろうじて合法である)が、スマートフォンを見入っていて、歩行者に衝突して人を殺してしまった例も少ない数ではない。
罪状その3は、かなりの速度で突如横断歩道に進入し、走り抜けようとする行為である。特に左折する自動車の運転者は、横断歩道を渡ろうとする前後の歩行者に注意しながら、歩行者が横断歩道から立ち去ったことを確認して、左折を遂げようとするのであるが、その時突如左後方から、時速20km以上で自転車が飛び込んでくることがある。まだしも左折車の前方から来るのであれば目に入りやすいが、横断歩道の左後方は、左折車のミラーの死角になっていて運転者の目にも入りにくい。自転車の高速での横断歩道進入は、あきらかに危険運転行為である。
罪状その4は、道路上で自転車が自転車を追い抜こうとするときに後方確認しない、あるいは後方確認できないことである。自転車と自動車は速度が違うので、自動車は当然、あるいは自然に後方から自転車の右側を追い抜くことになる。その時突然縦に並んで走っている自転車の二台目が何の予告もなしに道の右側に飛び出して一台目の自転車を抜こうとする。この稿の筆者が小学校で学んだことには、そういう時に後方側の自転車は腕で道路の右側に出る合図をすることになっているのだが、残念ながら最近そのような合図をする自転車を見たことはない。
これら罪状をもって、この稿の筆者は、「自転車は自動車の敵である」と判定するものである。
今月の言葉
2026年2月27日
自転車は敵だ
