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え〜っと通信

令和8年度税制改正の概要

 令和7 年12 月19 日に令和8 年度の税制改正大綱が発表されました。今回は、税制改正の主要項目のうちインパクトの大きい内容についてご説明します。

1. 物価上昇局面における基礎控除・給与所得控除の拡充

 令和6 年11 月の3 党合意や足元の厳しい物価高を踏まえ、時限的に給与所得者の「課税最低限」が178 万円(基礎控除104 万円+給与所得控除74 万円)まで引上げになります。令和7 年分の「課税最低限」は160 万円(基礎控除95 万円+給与所得控除65 万円)でしたが、恒久制度として「基礎控除」及び「給与所得控除の最低保障額」がそれぞれ4 万円引き上げられます。加えて、2 年間の時限措置として中所得者層(年収665 万円以下)については基礎控除が104 万円まで引き上げられ、また、給与所得控除の最低保証額を5 万円引き上げる特例が創設されます。

 上記の改正を受けて扶養親族等の合計所得金額要件は下表のとおりになります。

2. 高額所得者への課税強化

 令和7 年から課税が強化されている超富裕層への追加負担が更に引き上げられます。給与や不動産所得等は高額になるほど税率が上がる累進税率のため、最高で55.945%の課税がされています。一方、株式の売却益など金融資産に対する課税は一律20.315%の課税ですみます。このため、金融所得の割合が多い富裕層ほど実質的な税負担が低くなっているという指摘がされてきました。
 この税負担の公平性を図る観点から、追加税負担を課す年間所得金額の目安を現行約30 億円から約6 億円へ引き下げることになります。基準所得金額から控除する特別控除額を3.3 億円→ 1.65 億円に引き下げ、税率を22.5%→ 30%に引き上げます。この改正は、令和9 年分以後の所得税から適用されます。譲渡益が概ね3.37 億円を超えるような長期保有の不動産の売却をお考えの方は、令和8 年中に譲渡される方が税負担の大きな上昇を避けられそうです。

3.教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置の廃止

 教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税措置については、利用実態や格差固定化の懸念、教育無償化等の拡充、NISA の拡充等を踏まえ、令和8年3月末までの適用期限を延長せずに廃止となります。ただし、同日までに拠出された金銭等については、引き続き本措置を適用することができます。
 なお、一括贈与の非課税廃止後であっても、既存の贈与税制度により、扶養義務者が支払う通常必要と認められる生活費・教育費の資金交付を必要な都度行う場合には非課税とされていますので、必要な都度の贈与で代替可能です。

4.相続税等の財産評価の適正化

 貸付用不動産の市場価格と路線価等による評価額との乖離を利用して相続税額等を大幅圧縮している事例が散見される中、納税者の予測可能性を確保しつつ、評価の適正化及び課税の公平性を図る観点から、貸付用不動産の評価方法について次の見直しを行うこととされます。
 ①被相続人又は贈与者が課税時期前5 年以内に対価を伴う取引により取得又は新築をした一定の貸付用不動産については、路線価等による評価ではなく、相続・贈与時における通常の取引価額に相当する金額によって評価することとなります。
 なお、通常の取引価額は、課税上の弊害がない限り、被相続人又は贈与者が取得等をした貸付用不動産に係る取得価額の80%相当額によって評価できることとなります。
 ②不動産特定共同事業契約又は信託受益権に係る金融商品取引契約のうち一定のものに基づく権利の目的となっている(いわゆる商品として小口化された)貸付用不動産については、その取得の時期にかかわらず、課税時期における通常の取引価額に相当する金額によって評価することとなります。
 この改正は、令和9年1月1日以後に相続・贈与により取得する財産の評価に適用されます。ただし、上記①の改正については、この改正が通達に定められる日までに、被相続人又は贈与者が同日の5年前から所有する土地に新築をした家屋(同日において建築中のものを含む。)には適用せず、路線価等による評価となります。
 通達改正後における貸付用不動産は、相続直前の駆け込み取得による節税が困難となる他、純粋な資産運用等による取得・建築であっても既存の評価額と比べて大幅に上昇する可能性があります。具体的な評価方法など今後の動向を注視していく必要があります。

5.その他の主な税制改正項目

<所得税>
〇 住宅ローン控除の延長と拡充並びに縮小
 中古住宅についての借入限度額引上げや子育て世帯の上乗せ措置適用・床面積要件緩和
〇 青色申告特別控除額の引上げと縮小(最大75万円控除・書面申告時や簡易簿記時の縮小及びゼロへ)
〇 こどもNISA創設(つみたて投資枠を0~17歳に拡充し、年間60万円・限度額600万円)
〇 特定暗号資産の金融課税化(総合課税→約20%の分離課税・損失の3年繰越控除可)
〇 防衛特別所得税1%の創設及び復興所得税の改正2.1%→1.1%へ引下げ
〇 ふるさと納税の控除限度額の見直し
 給与収入が約1億円以上の高所得者等について令和9年以後の寄付から控除限度額の上限設定(193万円)

<資産税>
〇 事業用資産の買換え特例の見直し
 令和11年3月31日まで3年延長(一部の船舶等除く)
 市街地再開発の一定の区域での課税繰延割合が80%→60%へ
 長期所有土地建物等→国内の土地建物等への買換え資産については、建物・付属設備・構築物を事務所等の特定施設とその施設の業務遂行に必要なものに限定
〇 不動産取得税の課税標準の床面積下限50㎡→40㎡
 適用期限を令和13年3月31日まで5年延長
〇 固定資産税の免税点が家屋:20万円→30万円へ
 償却資産:150万円→180万円へ 令和9年度以後より

<法人税>
  〇 少額減価償却資産の上限(30万円未満→40万円未満へ)引上げと延長(令和11年3月31日まで)所得税も

<消費税>
〇 インボイス制度における経過措置の見直し
 小規模個人事業者について2割特例→3割特例とし、令和9・10年実施
 インボイス発行事業者以外からの課税仕入れに係る経過措置の最終的な適用期限を2年延長(令和13年9月30日まで)
〇 非居住者に対して行う国内所在不動産に係る役務の提供等について
 消費税の輸出免税の適用対象から除外

2026年2月16日

同族間における金銭の無利息貸付け

令和6年3月に日本銀行がマイナス金利政策を解除し、17年ぶりに金利の引上げを行い、これにより日本は「金利のある世界」への転換を図ることになりました。日本銀行の金融機関に対する貸出利率の上昇は、税務において、別の意味でリスクが増加したように思われます。

 今回は、同族(親族)間で行われる無利息による金銭消費貸借(以下「無利息貸付け」という。)に関する税務について取り上げています。

1.同族会社の行為計算否認による利息収入の認定

 個人(株主等)が親族経営の法人(以下「同族会社」という。)に金銭の貸付けを行うとき、必ずしも営利を目的としないこともあって無利息とすることも多いのが実情です。この場合、貸主は利息を受けないのですから、収入を計上する必要はありません。

 しかし、その例外として、所得税には「同族会社の行為計算否認」の規定が設けられています。個人株主やその親族が同族会社へ無利息貸付けを行なったこと等により、その株主等の所得税の負担を不当に減少させたと税務署長が判断すると、貸主に対し利息収入を認定できることとされているのです。とはいえ、この規定が適用されるのは、極めて多額の無利息貸付けであり、それも無担保・無期限などの場合ですから、適用されるのはごく僅かのケースに限られます。なお、同族会社の経営状況の悪化により役員等が経営責任を果たすために行うなど、無利息とする合理的な理由があればこの規定が適用されることはありません。

 最近の事例では、同族会社が株式購入資金として銀行融資を受けた債務約23億円の返済資金として、役員である親族がその同族会社に対し無利息貸付けを行ったところ、当初の銀行融資の利率に準じた利率による利息収入を認定した課税処分を適法とした裁決があり(国税不服審判所令7.3.7裁決)、そのほかにも類似の裁決が2件あります。

 金利のある世界となり、今後は融資利率の引上げが予想され、それに伴い認定利息額が増大し、所得税負担の減少額とされる金額が増加することになります。利息を受け取っていないにもかかわらず課税される点、融資を業とする銀行と概ね同じ利率により認定利息が計算される点について、個人的には疑問が残りますが、東京高裁が同族会社への無利息貸付けについて利息を認定した課税処分を適法とした事例があり(東京高裁 平11.5.31判決)、今後も類似の課税処分が行われることが懸念されます。

2.親族間の無利息貸付けに伴う経済的利益

 上記1.は同族会社との取引でしたが、個人間の無利息貸付けは、どのように取り扱われるのでしょうか。

 親子間の場合、金銭の貸借が書面や口頭により行われたとしても、子は一向に返済せず、親も催促しない状況が継続すると、それは貸借という形式を採っていても、実質は贈与と判断されるリスクがあります。貸借であれば、まずは、返済をしている事実が必要です。

 個人間の無利息貸付けでは、貸主に利息収入が認定されることはありません。しかし、借主は、利息相当額の経済的利益を貸主から受けたことになり、贈与とみなされ贈与税の課税対象とされる場合があります。もっとも、贈与には年間110万円の非課税枠がありますから、受けた利益がその範囲内で、他に贈与を受けた財産と合計しても110万円以下であれば問題になることはありません。

 かなり前の話になりますが、父が子に対し事業資金として無利息貸付け(約1.25億円~3.49億円)を行ったところ、5年間で合計約6,317万円の贈与とされた事例がありました(国税不服審判所 平元.6.16裁決)。贈与額の計算に用いられた貸付利率ですが、無利息と取り決めていたことから、民法の法定利率(当時は年5%)が適用されました。現在(令和8年3月まで)の法定利率は年3%ですから、この裁決の考え方からしますと、例えば、1億円を無利息で貸し付けた場合、その3%の300万円の贈与とされる可能性があります。

3.知人間における金銭消費貸借のリスク

 友人、知人、親戚などから金銭の借用依頼を受けたため、相手側の事情を察して利息付きの金銭消費貸借契約を締結したとします。返済が順調であればよいのですが、滞ってしまうケースも多いように窺われます。

 利息は未収であっても雑所得として所得税の対象になります。貸主に相続が発生すると、貸付金の残額が相続財産として相続税の対象になることに加え、相続人にとっては、被相続人の知人等に対して返済を求めるという厄介な状況になります。返済が滞るということは資金的にも苦しい状況でしょうから、実質的な貸倒れとして相続財産に計上しなくてよいようにも思われますが、借主が破産宣言などを受けておらず、苦しいなりにも生活を継続していると、貸倒れは認められないことが多いのが実情です。知人等への金銭の貸付けは、将来を見据えた慎重な判断が求められます。

4.おわりに

 今回は、金銭の無利息貸付けを中心とした税務についてのお話でした。同族会社の行為計算否認規定が適用されるのは、極めて多額の無利息貸付けの場合ですが、親族間や知人間の金銭消費貸借については、税務上、問題となるケースが多いと思われますので、参考としていただければ幸いです。

2026年1月15日

相続の3つの方法~節税できる方法も?~

 相続が発生すると、被相続人が残した不動産や預貯金などの積極財産(プラスの財産)だけでなく、借金や保証債務などの消極財産(マイナスの財産)も相続されます。マイナスの財産が多い場合は、借金を背負うことになりかねません。両親だけではなく、疎遠となっているおじ・おばなどからの相続もあり得ます。そこで、状況に応じた相続の方法等をご説明します。

1.3つの相続

 相続には、次の3つの方法があり、いずれかを選択することができます。

(1)単純承認

 単純承認は、被相続人の財産をありのまま受け入れ、すべて相続することです。特別な手続きは必要ありません。相続の開始があったことを知ってから、3ヵ月の間に何もしなければ自動的に単純承認をしたことになります。プラスの財産がマイナスの財産より多ければ問題ないのですが、マイナスの財産がプラスの財産より多い場合は、相続により借金を背負うことになります。

 被相続人の借金の一部返済や預金を引き出して使うなど一定の行為をすると単純承認とみなされ、限定承認や相続放棄ができなくなりますので、注意が必要です。

(2)限定承認

 限定承認は、相続したプラスの財産の範囲内でマイナスの財産を引き継ぐ方法です。相続の開始を知ったときから3ヵ月以内に相続人全員が共同して家庭裁判所に申述する必要があります。被相続人の債務がどの程度あるか不明であり、プラスの財産が残る可能性がある場合などに選択します。

 限定承認をした場合は、被相続人が相続財産を時価で相続人に譲渡したものとして、準確定申告を行う必要があります。含み益がある資産(不動産や上場株式など)を保有していると、まず相続時に譲渡所得税が課税されます。ただし、課税される譲渡所得税は被相続人に課されるものですから、相続税の計算においては債務として控除することができます。なお、被相続人の自宅の譲渡所得は、限定承認をする相続人が同居親族ではないなど一定の要件を満たす場合には居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除が適用できます。

(3)相続放棄

 相続放棄は、プラスの財産とマイナスの財産を一切受け継がない方法です。相続の開始を知ったときから3ヵ月以内に家庭裁判所に申述する必要があります。明らかにマイナスの財産がプラスの財産を上回る場合や相続に関する揉め事に関わりたくない場合に選択します。

 死亡保険金は、相続放棄しても保険契約上の受取人になっていれば受け取ることができます。受け取った死亡保険金は、相続税の対象となり、非課税枠(500万円×法定相続人の数)の適用はありませんのでご注意ください。

2.相続放棄・限定承認の申述期間

 相続放棄・限定承認の家庭裁判所への申述期間は、相続の開始を知ったときから3ヵ月以内とされていますので、注意が必要です。

 ただし、当該期間内に相続財産の調査をしてもなお、相続を承認するか放棄するかを判断する資料が得られない場合には、家庭裁判所に期間の伸長の申し立てをすることができます。

3.相続放棄で節税?

 相続税の計算は、相続放棄があった場合でも放棄がなかった場合の相続人の人数を基に計算するため、基本的に相続放棄によって節税することはできません。

 例外として、相続人が父母になる場合は、相続放棄で節税できる可能性があります。例えば、母、長男、二男の3人家族で、長男が亡くなったとします。長男には、配偶者も子もいないので、母が相続人になります。そのままであれば、長男の遺産を母が相続する際に、相続税の負担が生じます。その後、母が亡くなった時に、母が所有している相続財産に対して相続税が課税された上で、二男が相続することになります。この場合、母が相続放棄すると、長男の遺産はすべて二男が相続することになります。ただし、このときの相続税の計算は、二男に相続税の2割加算が適用されます。

 このように、相続放棄で2割加算が適用されるものの、2回相続税が課税されるよりは、税負担を抑えられる可能性があります。ただし、相続税には、続けて相続税が発生した場合の相次相続控除がありますので、この点を考慮して放棄するか否かを決定する必要があるといえます。

4.まとめ

 相続放棄や限定承認をする場合は、相続発生から3ヵ月という短い期間で判断する必要があります。また、一度選択すると、原則として撤回はできません。誤った判断をしないためにも、生前から財産債務の棚卸しをして、正確な情報を把握しておくことが大切です。弊社でお手伝いできることがあれば、お声がけください。

2025年12月15日

知っていると得をする?「みなし相続財産」を解説

相続税の申告では、生命保険金や退職金など、遺産分割の対象にならない財産が思わぬ税負担を生むことがあります。このような財産を「みなし相続財産」といいますが、みなし相続財産を上手に利用すれば税負担の軽減や柔軟な財産の承継に活用することができます。今回は、信託や退職金を例に、要点や注意すべきポイントをご紹介します。

1.「みなし相続財産」とは?

 生命保険金や死亡退職金は、遺産分割の対象にならないのに、なぜ相続税の対象になるのでしょうか、という質問を受けることがあります。法律的には、被相続人が所有していた相続財産ではないものの、相続により受け取る権利が発生するため、相続財産と同視すべきものをみなし相続財産として相続税の対象とされています。生命保険金や死亡退職金、定期金、信託の受益権等が代表的なものです。
 みなし相続財産には3つの特徴があります。①財産を受け取る人が指定されているものが多いため、誰が受け取るかで争いになりにくいこと。②相続放棄をしていても受け取ることができること。③遺産分割の対象にならないため、原則、遺留分の計算に含まれないこと。この3点を押さえると、この後の話が分かりやすくなると思います。

2.信託を活用した遺産分割対策

 将来の財産管理や相続に不安を感じる方への解決策として、信託契約を活用する事例が増えています。判断能力が低下しても不動産の管理に支障がないようにしたい、スムーズに資産を承継したいといったニーズに対し、柔軟な解決策を提供できるのが信託契約です。ここでは、相続手続き上の信託契約の取り扱いをご紹介します。
(1)信託受益権とは
 信託受益権は、「信託財産から得られる利益を受け取る権利」をいいます。信託とは、「財産の所有者」(委託者)が事務負担軽減等の目的を定めて、「信頼できる人」(受託者)に財産を託し、運用益を「指定された人」(受益者)が受け取る仕組みです。受託者と受益者は任意に指定可能です。
(2)信託(家族信託)を活用した遺産分割対策
 例えば推定被相続人が不動産について、信託契約を締結し、相続発生時の受益者を後継者に指定後、相続が生じた場合を考えます。信託契約により、信託財産の管理・運用は生前から受託者が行い、相続発生後は信託契約により後継者へ受益権が移転します。このように信託財産については遺産分割協議の手続きがなくなり、承継が円滑に進む点が大きな利点となります。ちなみに相続税では、信託契約を締結しても節税にはなりません。

3.退職金活用の具体例

 次に先月のえ~っと通信で紹介した退職金を活用した相続税・法人税の節税を考えていきたいと思います。被相続人が株式を100%所有する会社の役員であった場合を前提に具体例を考えます。(会社の規模は小会社、保険差益は生じないケースとします)
 ・法定相続人:3人
 ・死亡退職金:1,500万円
 1. 非課税限度額:500万円×3人=1,500万円
 2. 課税対象額:0円
 3. 会社の株価への影響:会社は退職金1,500万円を債務として計上(純資産▲1,500万)。小会社は株価計算上、純資産について、50%を株価に反映するため、株式全体の評価は750万円分減額されます。
 4. 相続税の減額効果:相続税の税率を40%とすると、株価▲750万円×40%=▲300万円
となり、300万円の相続税が減額されます。
 補足.法人税の減税効果:支給した退職金は当然、会社の経費として認められます。実効税率を約35%と仮定すると、退職金を支給したことにより、1,500万円×35%=525万円の法人税負担の軽減が見込めます。
 結論:1,500万円を税負担なく遺族に渡すことができ、更に株式分の相続税を300万円分、会社の法人税を約525万円分の負担を軽減できます。会社の資金繰り等に問題がなければ、相続税対策として有効な手段となります。また、退職金については生命保険金等と違い、相続発生後に受取人を決めることもできるため、その時の状況に応じて柔軟に対応することができます。

4.思わぬ税負担を避けるための注意点

(1)受取人次第で税額が2割加算
 みなし相続財産は遺産分割協議に関係なく財産を受け取る人が決まっているものが多いため、法定相続人以外の方へも遺言書なしで財産を渡すことが可能です。しかし、法定相続人以外がみなし相続財産を取得する場合、法定相続人が受け取る場合より、相続税が2割加算されます。
(2)相続放棄と非課税枠の落とし穴
 相続放棄した人が受け取る保険金・退職金は、生命保険金や死亡退職金の非課税枠は使えません。生命保険金や死亡退職金でお金をもらえれば十分と思って相続放棄してしまうと、想定外の税金がかかりますのでご注意ください。
(3)遺留分の火種
 みなし相続財産は原則的には遺産分割の対象や遺留分の計算から外れます。ただし、外れるからといってほとんどの財産を売却して保険金として特定の相続人が受け取る場合には、その保険金も遺留分の計算の対象になります。

5.まとめ

 みなし相続財産を上手く活用すれば相続税対策や柔軟な事業承継の一助となります。ただ、そのルールは複雑で、一歩間違えれば税務上のリスクもありますので、最適な対策を講じるためにも、計画的なご準備をお勧めします。

2025年11月14日

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ATO通信

連年贈与の注意点を押さえよう

 年が明けるとまもなく所得税の確定申告時期を迎えます。贈与税に関してもその申告は同時期であり、申告期限は所得税と同じ3月15日です。年始は贈与税の申告準備も必要になってきます。ところで、贈与を定期的に毎年行っているような、いわゆる連年贈与の場合には通常とは違って注意が必要では?と考える方もおられるようです。

1. 連年贈与とは

 毎年、毎年、継続して行っている贈与のことを一般的には連年贈与といいます。お客様とお話をしていると、連年贈与は税務的に問題にならないのか?という話をときどき耳にします。結論から申し上げれば、連年贈与自体が問題になるということはありません。それでは、他に注意すべきポイントがあるのでしょうか。
 贈与は、財産を無償で与える意思を表示して、もらう側がこれを受諾することで効力が生じる契約です。つまり、贈与ごとにこの行為が生じていることが前提であり、ここがポイントです。
 したがって、毎年、毎年、継続して贈与を行っているというのであれば、その都度ごとの合意に基づく契約があるはずです。そうであるならば、毎年の贈与はそれぞれ個別の行為であり、通常通り贈与税の計算と申告をすればよいわけです。このことは当然のことであり、何ら問題が生じることはありません。また、数年間連続して贈与を行っているからといって、数年分の贈与を合算して課税するような仕組みもありません。

2. 定期贈与(給付)には注意

 連年贈与と似たようなものに定期贈与とよばれているものがあります。定期贈与とは、定期金の給付として行う贈与のことをいいます。たとえば、毎年100万円を10年間にわたって渡すからね、という約束をしてこれに基づいて行う贈与のことです。
 この場合には、毎年の贈与はその都度ごとの贈与行為ではなくなります。あらかじめ定めた取り決めに基づいて、10年間にわたって分割支給しているに過ぎないからです。そのため、総額の1000万円が分割贈与の約束をした年度において贈与税の課税対象になるという具合です。110万円の基礎控除の範囲内による贈与のつもりであったのに、思いがけずに総額に対して贈与税の計算がされることになってしまいます。
 この定期金の給付としての贈与の考え方があることから、連年贈与は問題にならないのか?という話がでてくるわけです。

3. 個別の贈与

 それでは、定期贈与と見られないように個別の贈与としてしっかりしておくにはどのようにすればよいのでしょう。この点、実は難しく考える必要はありません。ポイントは1で述べたとおりです。
 つまり、連年の贈与であったとしても、各年の贈与はそれぞれ個別の贈与契約だと説明できればよいわけです。
 毎年の贈与ごとに、あげましょう、もらいましょう、という合意を個別に行って贈与契約書を作成しておきます。また、現金であれば振込みをするなどで贈与の履行を明確にしておきましょう。当然ですが、110万円を超えるような贈与ならば贈与税の申告を行います。このように、まずは形式的な部分をしっかりと整えておきます。
 なお、贈与税で問題とならないようにするためには、毎年の贈与日は変えたほうが良いのでは?毎年の贈与金額は変えた方が良いのでは?などといった考えが一部にあるようですが、そのようなことをする必要は特にないでしょう。本筋論からすれば些細なことだからです。
 たとえば、私は毎年の記念日である特定日に、一年間の感謝とお祝いを兼ねて、区切りとしてその都度同額の贈与を行っているというような場合に、日付と金額が一緒だからといって何が問題になるのでしょうか。
 見極めのポイント、それはくどい様ですがその都度ごとの贈与である、これが言えれば良いのです。

4. 結局は説明の仕方次第

 いくら形式部分を整えたとしても、最終的には税務署に対して上手に説明できるかどうかです。
 たとえば、10年計画で1000万円を贈与する場合、「100万円の贈与を、10年間行って1000万円にする」というのと、「1000万円の贈与を、100万円ずつ10年間で行う」というのではニュアンスが異なります。後者の場合、捉え方次第では定期贈与の恐れがあるかもしれません。
 暦年贈与では毎年110万円の非課税枠があります。定期贈与と疑念を持たれないようにしましょう。

5. 教育資金一括贈与は令和8年3月まで

 令和8年度の税制改正大綱によると、教育資金一括贈与の1500万円の非課税措置は令和8年3月31日の適用期限をもって終了します。これからは、数年間分の教育費の一括贈与について非課税枠は無くなりますが、その都度ごとに行う教育資金贈与はそもそも非課税扱いです。
 連年贈与も教育資金贈与も上手に賢く行いましょう。

2026年2月27日

小規模宅地等の利用は事前準備が大切!

 相続税の申告にあたっては、小規模宅地等の特例を上手に活用できるかどうかがとても重要です。なぜなら、この特例を利用することで一定面積までの土地の相続税評価額を50%減、又は80%減にできるからです。ただし、特例適用にあたっては要件があります。相続発生直前の対応では利用ができない場合があるので注意しましょう。

1. 自宅の土地の80%減

 自宅の土地については、一定の要件を満たすことにより土地面積330㎡まで相続税評価額を80%減額することができます。この特例を特定居住用宅地等の減額特例といいます。
 被相続人の自宅の土地を相続する際にこの特例が利用できる方は、①配偶者、②同居親族、③いわゆる家なき子、のいずれかである必要があります。このうち、①配偶者、②同居親族については、特例の利用にあたって居住年数などの年数縛りはありません。つまり、居住期間や同居期間が短いからといって対象外になる訳ではありません。
 しかし、③いわゆる家なき子については年数縛りが設けられているので注意です。この家なき子特例の詳細な要件はここでは割愛しますが、要件の1つに「相続開始前3年以内に日本国内にある自分や自分の配偶者などが所有する家屋に居住したことがないこと」というものがあります。分かり易くいえば、自宅の土地を相続する相続人は賃貸暮らしを最低でも3年以上続けていた状況が必要になります。
 したがって、③家なき子の要件を充足させたいのであれば、現在の状況を確認して、場合によっては相続人が住む家についても何らかの対応が必要になるかもしれません。

2. 貸家等の土地の50%減

 貸家等の土地など不動産賃貸業の用に供されていた土地については、一定の要件を満たすことにより土地面積200㎡まで相続税評価額を50%減額することができます。この特例を貸付事業用宅地等の減額特例といいます。
 この特例の利用にあたっては、営んでいる不動産賃貸業が事業的規模なのか、それ以外なのかにより要件が異なるために注意が必要です。事業的規模かどうかは所得税の取扱いを準用することになっており、形式的にはいわゆる5棟10室基準で判断をします。つまり、アパート等については貸室数がおおむね10室以上、戸建の貸家についてはおおむね5棟以上の貸付規模があれば事業的規模というわけです。
 そして、この規模が事業的規模に満たない方は年数縛りが設けられているのです。
 特例の要件の1つに事業的規模以外の場合は、「相続開始前3年以内に新たに貸付事業の用に供された宅地等を除く」というものがあります。したがって、被相続人の不動産賃貸業が事業的規模以外の方は、相続開始前3年以内に取得した賃貸物件は特例の対象外になってしまうのです。前もっての計画的な対応が必要になるでしょう。

3. 事業用の土地の80%減

 事業用の土地のうち、先ほどの不動産賃貸業以外の事業の用に供されていた土地があるならば、一定の要件を満たすことで土地面積400㎡までについて相続税評価額を80%減額することができます。この特例を特定事業用宅地等の減額特例といいます。
 この特例の利用についても同じような年数縛りが設けられており、一定の規模以上の事業でない場合には「相続開始前3年以内に新たに事業の用に供された宅地等を除く」となっています。やはり、ここでも3年というキーワードがでてきました。

4. 3年縛りがないものがある!

 小規模宅地等の特例においては、3年縛りが必ず設けられているのでしょうか?実は、この3年縛りが無いものが1つだけあるのです。それは、特定同族会社事業用宅地等の減額特例というものです。
 この特例の内容は、被相続人やその親族で50%超の株式数を所有している同族会社が、被相続人が所有する土地を不動産賃貸業以外の事業の用に供していた場合(使用貸借による場合を除く)には、一定の要件を満たすことにより土地面積400㎡まで相続税評価額を80%減額することができるというものです。そして、この特例だけは他の特例とは異なり3年縛りが無いのです。
 つまり、不動産賃貸業以外の事業を行っている同族会社がその事業の用に供している土地であれば、3年縛りを受けることが無くなるというわけです。したがって、この特例に関しては相続間近であっても何らかの対応ができる可能性があります。

5. 相続前からの対策!

 相続税というと、相続がおきてから税理士に申告相談をすれば良いのでは?と考える方がおられるかもしれません。しかし、それでは遅いのです。申告書作成はあくまで結果です。相続税の負担を上手に軽減したいのであれば、あらかじめの対策が何より大切です。

2026年1月30日

新たな税負担、防衛特別法人税

 来年の令和8年から、新たに防衛特別法人税という税金が課税されることになりました。法人税という名称が付いていることからもご想像のとおり、この税金は法人が負担するものであり、今までの法人税に上乗せされて徴収されることになります。

1.防衛特別法人税の仕組み

 法人は、令和8年4月1日以後に開始する事業年度から新たに防衛特別法人税を納める義務が生じます。3月決算法人であれば令和9年3月期からスタートという具合です。

 防衛特別法人税は、一定の法人税額に4%を乗じて計算することになっています。つまり、税負担感からすると法人税率が上乗せされたようなイメージになります。そこで、具体的な計算方法を確認してみましょう。

         

 

 

 

 この防衛特別法人税を今までの法人税に追加して納める必要があります。

2. どれくらいの所得水準から発生する?

 先ほどの計算式をみると、基礎控除が500万円設けられていることが分かりますが、ここがポイントです。
 防衛特別法人税は、いわゆる法人税額が500万円を超える部分の税額について追加される税金です。したがって、法人税額が500万円以下であれば税負担の増加はなく、今までどおりというわけです。それでは、法人税額が500万円を超えるような所得水準は一体いくらなのでしょうか。
 資本金が1億円以下の中小法人と、それ以外の法人では適用税率が異なるため計算結果が変わりますが、防衛特別法人税が課税されるボーダーラインは以下のとおりです。
 中小法人・・・所得金額24,393,000円以上
 中小法人以外・・・所得金額21,565,000円以上

 多くの法人は中小法人に該当するでしょうから、目安としてはおおよそ2400万円を超えるような所得金額になると、防衛特別法人税の上乗せ課税が始まると思っておくのが良いでしょう。

3. 会社を分けてみる

 防衛特別法人税は、日本の防衛力の抜本的な強化等のための措置ということですが、法人経営者としてはやはり税負担はできるだけ抑えたいものです。
 防衛特別法人税の負担が生じたとしても、それが少額であればそこまで問題視する必要はありませんが、法人の所得金額が経常的に多額である場合には負担感が重くなります。例えば、中小法人で所得金額が5千万円の場合には約24万円、所得金額が1億円になると約70万円の負担増になります。
 そこで、負担感が重いと感じるのであれば、法人を2つに分けることを考えるのも良いかもしれません。それぞれの法人が中小法人であれば、所得金額800万円以下に対する中小法人の軽減税率の効果も得ることができます。(法人税軽減は最大800万円×(23.2%-15%)=656,000円、地方税の軽減もあわせると約80万円以上の効果)
 また、このような法人の場合には課税売上高が5000万円超であるとして原則課税により消費税を納めていると思われます。会社を分けることで簡易課税が適用できるようになれば、消費税の負担を軽減できる可能性も出てくるでしょう。(参考2023年11月号Vol.243)

4. 所得税にも導入予定

 日本の防衛力の抜本的な強化等のための措置は、所得税に対してもその負担を求めることが予定されています。
 したがって、防衛特別所得税のようなものが検討されており、税制改正に盛り込まれる可能性が高いといえます。また、震災などに係る復興税とはその意義が異なりますので、防衛費財源のための税金は適用時期を区切った時限的な制度ではないのが特徴です。つまり、継続的な増税がなされるというわけです。
 ちなみに、個人の所得税では東日本大震災からの復興のためとして、平成25年分から復興特別所得税が課されています。これは令和19年分までの時限的な制度ですが、すでに2.1%の上乗せ課税が実施されているのです。防衛特別所得税のようなものを単純に追加してしまうと二重の上乗せ感が出てしまうため、多少の調整がなされるのでしょうか。私見になりますが、日本はそもそも地震大国です。しかも災害自体が増加している近年において、四半世紀である25年間もの長期間に復興特別所得税を設定するという発想自体が浅はかであると思ってしまいます。
 所得税の負担が軽減されるような流れは今後も期待できなさそうです。法人活用の検討は待ったなしです。

2025年12月26日

基礎控除引上げは見せかけの減税?

 令和7年分の所得税からは、合計所得2,350万円以下の方は基礎控除額が引き上げられることになりました。基礎控除が増えるので確かに減税となりますが、対象は主に低所得者層に対するものです。それよりも、過去の税制改正を振り返ると所得控除などの縮小により実は増税がされ続けてきた経緯があります。

1. 基礎控除などの改正

 基礎控除の改正については、自民党と野党による駆け引きもあったので記憶に新しいところです。最終的には、基礎控除と給与所得控除の最低保証額が見直され、いわゆる103万円の壁は令和7年分から160万円に引き上げられました。この改正内容を見てみると、あくまでも低所得者層に対する手当てという側面が強いことが良く分かります。ある程度の稼ぎがある方については減税をさせたくないということなのでしょう。そこで、基礎控除がどのように変わったのかを確認してみましょう。

 今回の基礎控除の改正では、物価上昇を勘案して低中所得者層の税負担の軽減を図りました。そこで、低所得者層である合計所得が132万円以下の方(給与年収ベースで約200万円以下)については、恒久的に基礎控除を47万円増加して95万円に引上げました。ところが、いわゆる中所得者層については、2年間だけは15万~40万円増加しますが、令和9年分以後は10万円だけの増加であり、減税効果は限られます。また、合計所得が2,350万円を超えるような高所得者層の方は、そもそも改正がされておらず従前のままです。
 上記とともに行われた給与所得控除の改正では、その対象は給与収入が190万円以下の方だけで、その額も最大で10万円に過ぎません。
 このように、減税の影響は微々たるものに過ぎず、高所得者層はそもそも対象外とされているのです。

2. 住民税の基礎控除は改正なし

 今回の税制改正の目的は、物価上昇を勘案した結果として基礎控除の金額を見直すことです。しかし、政治的に地方自治体との調整がうまくできなかったからでしょうか、住民税の基礎控除については改正がされませんでした。つまり、低所得者層についても地方税では税の手当てをしなかったのです。

3. 過去の税制改正を振り返れば

 過去の税制改正を振り返ってみると、びっくりするくらい所得控除が縮小しているのが分かります。知らぬ間にジワジワと税負担が増加してきており、まさにステルス増税です。最近10年間の所得税に関する主な改正内容を挙げてみましょう。
・平成27年分~ 所得税の最高税率が40%⇒45%
・平成28年分~ 給与所得控除の上限230万円
・平成29年分~ 給与所得控除の上限220万円
・平成30年分~ 配偶者控除に制限を設ける
        (合計所得1,000万円超は適用除外)
・令和2年分~  給与所得控除の上限195万円
        基礎控除に制限を設ける
        (合計所得2,500万円超は0円)
 平成27年の所得税の最高税率の引上げを皮切りに、ほぼ毎年のように少しずつ増税されているのが分かるかと思います。特に給与所得控除の上限額は度々見直しがされており、給与所得者が狙われているようです。サラリーマンからはあまり文句が出ないだろうと踏んでいるのでしょうか。

4. 個人には厳しい世界

 最近の所得税の改正内容をみると、税法的なロジックがあまりないように思います。理由を付けて取り易いところから取る(増税する)というような感じです。特に高所得者層に対しては厳しいです。所得が高い方については、所得税の負担が減るような税制改正はまずないでしょう。そうすると、今までもこれからも、法人を上手に活用できるかどうかが税負担の軽減を図れるのか否かの分かれ目です。

2025年11月28日

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今月の言葉

自転車は敵だ

 自動車と自転車の功罪を比較すると、特に環境(地球温暖化に対する影響)や健康面での効能から、断然自転車に軍配が上がることは、よくわかっている。だが、それでも自動車の運転をする者として、昨今の道路上での自転車の横暴には我慢ならない。今月は、以下に述べる諸々の罪状を掲げて、自転車が我が国の道路で如何にのさばっているかを糾弾することにしたい。
 自転車の罪状その1は、なんと言っても「すり抜け運転」である。道路の左側車線を走る自動車が交差点や信号に近づき徐行を始めると、後ろから自転車や自動二輪車がかえって速度を上げて自動車の脇をすり抜けようとする。そもそも一つの車線を走る車両同士であれば、同じ車線の前の車を追い抜くときには、右向きのウィンカーを出して、右から抜くのが我が国の作法であり、同一車線の左側から前の車をかわそうとするのは、立派なマナー違反である。のみならず、自動車の運転者に余計な安全確認のストレスを与えるという意味で、危険な走行であると言わざるを得ない。
 罪状その2は、走りながらスマートフォンを操作したり、SNSやメールを見たりする行為である。自動車にもカーナビという道具が付いていて、運転中にそれに注目してしまうと前後左右の安全確認がおろそかになることが知られている。が、カーナビはまだ単語や静止画像程度の意味伝達であるが、SNSやメールは複雑な構文を持った意味の伝達手段であり、それだけカーナビより注目時間が長くなり、より危険度が増す。実際に、歩道を走る自転車(自転車が例外的に歩道を走ること自体はかろうじて合法である)が、スマートフォンを見入っていて、歩行者に衝突して人を殺してしまった例も少ない数ではない。
 罪状その3は、かなりの速度で突如横断歩道に進入し、走り抜けようとする行為である。特に左折する自動車の運転者は、横断歩道を渡ろうとする前後の歩行者に注意しながら、歩行者が横断歩道から立ち去ったことを確認して、左折を遂げようとするのであるが、その時突如左後方から、時速20km以上で自転車が飛び込んでくることがある。まだしも左折車の前方から来るのであれば目に入りやすいが、横断歩道の左後方は、左折車のミラーの死角になっていて運転者の目にも入りにくい。自転車の高速での横断歩道進入は、あきらかに危険運転行為である。
 罪状その4は、道路上で自転車が自転車を追い抜こうとするときに後方確認しない、あるいは後方確認できないことである。自転車と自動車は速度が違うので、自動車は当然、あるいは自然に後方から自転車の右側を追い抜くことになる。その時突然縦に並んで走っている自転車の二台目が何の予告もなしに道の右側に飛び出して一台目の自転車を抜こうとする。この稿の筆者が小学校で学んだことには、そういう時に後方側の自転車は腕で道路の右側に出る合図をすることになっているのだが、残念ながら最近そのような合図をする自転車を見たことはない。
 これら罪状をもって、この稿の筆者は、「自転車は自動車の敵である」と判定するものである。

2026年2月27日

長編歌謡浪曲

 一人で自動車を運転していると、ふと眠気が兆す時がある。そういうときには、車を路肩に止めて、ひと休みするのが作法であるのだが、そのひと休みが終わって、さて再度出発というときに、眠気覚ましの音楽というのを掛けることにしている。そういう時には、わが青春の・・なんていう楽曲は思わず気持ちよくなってしまい、その世界に引き込まれてしまいそうで眠気覚ましにはならない。かといってヘビーメタリックのロックなんぞはうるさいだけだし、帝国陸海軍のラッパや軍歌は、眠気は冷めるだろうが、なにか右翼の街宣車みたいでぞっとしない。そこでこの稿の筆者が、いつもそういう時にかけるのは、三波春夫の長編歌謡浪曲集である。
 三波春夫は1923年(大正12年)新潟の生まれ。三波春夫と言えば、「東京五輪音頭」(あゝあの日ローマで・・)や「万国博覧会音頭」(世界の国からこんにちは)が有名だが、彼の本来の持ち味は、浪曲師南條文若時代のキャリアを生かした、「浪曲のような歌謡曲」すなわち長編歌謡浪曲にある。とくに赤穂義士銘々伝にあたる「俵星玄蕃」や「赤垣源蔵」、そのほか「南部坂雪の別れ」「ああ松の廊下」など忠臣蔵ものは作品数も多く、まさに彼の真骨頂といってよいだろう。
 この稿の筆者の幼時、物心つかない頃、むずかって泣いていても、浪曲の好きなお手伝いさんがラジオで浪花節をかけていると、いつの間にかおとなしくなってラジオに聴き入っていたというから、もしかすると浪曲の節回しが筆者の体質に合っていたのかもしれない。が、物心ついてからの家庭は洋楽一辺倒、日本の歌謡曲すら親はまったく好いていなかったから、三波春夫作品に近づく機会はあまりなかった。それが、大学に進学して入った放送のクラブの後輩に、三波春夫氏の令息がいて、ひょんなことから彼の作る歴史ラジオドラマ作品に筆者の出演(たしか大谷刑部少輔か何かの役だったと思う)を依頼されたりした経緯もあって、三波春夫歌舞伎座公演に出演する令息のほうの楽屋見舞いに出かけたりしてご縁ができた。我が家の祖父のところには、そのころ毎月松竹から歌舞伎座の切符が届き、歌舞伎公演の時はだいたい祖母や親せきが(たまには筆者もお供して)その切符を使うのだが、8月の三波春夫公演の時は、三波春夫の超大ファンである祖母の家の年老いたお手伝いさんがぜひ行きたいと言うので、楽屋見舞いを兼ねる筆者と二人で出かけたものだ。筆者は、令息の楽屋を見舞い、さっさと公演の席に戻ろうとしたら、スタッフの人に引き留められ、主演の三波春夫氏が廊下を通るから、というので待っていると、令息の先輩ということでとても丁寧に挨拶をされて、若造としては恐縮してしまい、また同伴のお手伝いさんにはえらく面目を施したものだ。三波春夫の長編歌謡浪曲を聞いていて、演出面で特徴があると思ったことが二つある。一つは、主人公があまり有名な人でない場合、必ず歴史上の有名人物の名前(たとえば大石内蔵助)をさりげなく挿入して聴衆の興味を引くことと、「雪を蹴立ててサク、サク」とか、「連銭葦毛にうち跨りパパパパパ」とか擬音がうまく挿入されていることである。いずれも、浪曲の演出の系譜をひいたものなのだろうと思っている。

2026年1月30日

不倫

 2024年10月の総選挙において躍進を遂げた某野党の党首T氏が不倫をしていたことが発覚。某野党を支持する労働団体の代表からは「けじめをつけるべきだ」と苦言を呈されたという報道もある。不倫がスクープされた当初は、「党首辞任」「議員辞職」などを取り沙汰する声もあったが、さすがにそれは少数意見だったようで、この稿を執筆している現在、T氏の「けじめ」は党の倫理委員会だかに委ねられているところらしい。
 この稿の筆者は、T氏の支持者ではないが、政治家がいくら公人だからと言って、不倫という最も私的な行いと、公職の進退ということを一緒に論ずる風潮には、違和感を持たざるを得ない。「公私のけじめ」をつけるべきなのは、世論の方ではないかと思うのだ。そこで本稿今月号では、少しだけ「不倫」ということを論じてみたい。
 まず定義として「不倫」とは、人間の男女のカップルいずれか、あるいは双方が、家庭があるにもかかわらず、別の相手と肉体関係を持つことを言う。あえて人間と書いたのは、熊や猿の雄は同時に複数の雌と関係を持つことが知られているからである。「不倫」とは文字通り「不道徳」の意味だが、人類社会においても一夫一婦制の道徳を持たない社会は(たとえばイスラム社会のごとく)かなりの比率であるので、上記の行為を「不倫」というのは、人類社会の中でも(多数か少数かは知らないが)ある部分であると言える。ただし、戦後日本社会の価値観では概ね上記の行為は「不倫」とされる。その理由は、主に「家庭があるにもかかわらず」という点にある。配偶者や扶養する子などがいなければ、男女ともに恋愛は自由であるし、恋愛というマーケットの中では、「前のパートナーと切れなければ、次の相手と肉体関係を持ってはいけない」と言うほど厳しい価値観が確立しているわけではない。上記の行為が「不倫」とされる理由は、配偶者を持つ者は、第三者と肉体関係を持たないという法的な「契約」が存在するからである。この契約に違反した者は、行為がばれれば配偶者に「契約違反」を詫びなければならないし、配偶者の意向によっては、契約解除=離婚、あるいは慰謝料を請求されても文句は言えない。筆者が「扶養する子」のことを付記した理由は、「不倫という契約違反」の結果、家庭が精神的あるいは物理的に破壊されれば、子供が影響を受けるからである。逆に「第三者と肉体関係を持たない」という契約が存在する理由のかなりの部分は、家庭の安定を維持するためということもできる。「不倫」は法律上民事の対象ではあっても、刑事罰の対象ではない。T氏が社会的指弾を浴びるのは、民事上の契約違反を犯したからであって、「公人のくせに他人に金を借りたのに返していない」というに近い。
 最後に、フランスの某大統領は長年配偶者ではない愛人を持っていて、それは周囲に公知のことであったが、マスコミは大統領の在任中一度もそれを報じなかったという。一夫一婦制の社会でもその程度の寛容さ、あるいは「ゆとり」は欲しいものだと、この稿の筆者は思う。

2025年12月26日

言語を学ぶ

 久しぶりに会った高校・中学の後輩が言う。「私は実はあなたのことを尊敬していたんですよ。」「あなたのクラス担任だったT先生から聞いた話ですが・・」「君たちの先輩には、凄い男がいる。英語の教科書なんて、一ページに単語二、三語わかれば、大体何が書いてあるかはわかるそうだ。」
 ふむ、たしかに中学生の頃、そんなことを豪語していたような気もする。そしてそれはまんざら嘘ではない。たとえば筆者は、さほど英語に堪能な訳ではないが、英字新聞を斜め読みすれば、大体何が書いてあるかはわかるのである。何故かというと、ウクライナ情勢であれ、パレスチナ情勢であれ、どこかの国の選挙戦の情勢であれ、普段ニュースなどを見ていればおよその知識はすでに先に持っている。そこで英字新聞を読んで、昨日の出来事を示唆する二、三の単語が目に飛び込んでくれば、想像力を働かせて、昨日こんなことが起きたに違いないという、「凡その当たりをつける」ことができるのである。この「凡その当たりをつける」暗号解読みたいな言語習得法は、自分の全く知らない言語、たとえばイタリア語であっても、スペイン語であっても原理的には適用可能である。
 ちなみに筆者は、自分の学んだことのない言語を使う国に降りたって、十日もすれば、なんとか独りで飲食店に入って、料理を注文することができる。ただしこれにはリスクもあって、昔ドイツ語を知らないのに、ドイツの鉄道に乗って一人旅をしていたときに、とある駅で自信満々で「ビールとミートパイ」を注文したつもりだったところ、相手が変な顔をするので、「どうしたのだろう」と不安に思っていたら「ビールと木苺のパイ」が出てきてしまったということがある。これなどは「木苺」という単語を知らないのに、勝手に自分の想像で「このパイはミートパイにちがいない」と思い込んでしまったために起きた事故である。
 筆者が何故、どのように、かかる邪道に近い言語の学び方を覚えたかというと、それは筆者が、小学校1年生のときに、まったく英語を知らないのに、突然アメリカの公立小学校に入れられてしまったからである。小学校低学年というのは、言語を学ぶには微妙な年頃である。それよりもちいさい小児であれば、そもそも自分がどのように言語を習得したかの自覚がない内に言語は自然に身につくのである。一方小学校高学年から上であれば、母語以外の言語は、概ね学校で先生について学ぶもので、単語以外に言語を構成する方法(文法)や語尾の変化なども同時に学ぶ。外国の学校に入って、もし語学力が乏しいと判定されると、一年とか二年学級を落とされるか、自分の母語以外の言語を学ぶために特別クラスに入れられたりする。だが、小学校低学年では、「文法もへったくれもなく、いきなりその言語を使う」のが教育である。筆者は天才でも何でもないが、アメリカの学校に入ったその日のうちに、隣の少年が「今日家に遊びに来いよ」と招いているくらいはわかったし、二、三ヶ月後にはあまり不自由なく、他の子供たちと遊びの時に会話することができるようになった。
 授業の内容は、だいたい日本の小学校より幼稚であったから、それこそ「想像力を働かせる」方式で乗り切った。付け加えれば、発信の際に知らない単語を知っている単語に置き換える方法もある。これは「虎」という単語を知らないときは「黄色い、黒い縞の、強そうな、大きい猫みたいな動物」とか言うものである。筆者は、小学校で学んだ英語を帰国後一度完全に忘れた。が、邪道の方は忘れなかった。高校の上級生になるまでは、この邪道を用いて、英文法を知らずに(SubjectのSが主語を表す略語であることも知らなかった)なんとか英語の授業をやりすごすことができた。

2025年11月28日

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